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2009年冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2010 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2010年1月22日(金)?2月17日(水)
□ 場 所 明治大学生田図書館「Gallery ZERO」


専任講師 川嶋雅章 推薦
作品集:『 日本の民家 』
二川幸夫:企画・撮影 伊藤ていじ:文
A.D.A.Edita Tokyo  1980年 D01C3/099-860//SZ
本書は、伊藤ていじ(建築史家)と二川幸夫(建築写真家)が日本の民家を求めて歩いたのは1950年代の後半から、その後25年を経て出版されたものである。伊藤は、何よりも民家の心と美と空間の原理を、日本人以外の人も含めて分かってもらいたい。また、二川は、美しい民家、即ち造型的にすぐれた民家の採集に力をつくし、日本人の智恵から生まれた文化遺産として残したいとするもので、日本の民家の記録として貴重な著書である。

学習用:『 図説 集落 その空間と計画 』
日本建築学会:編
都市文化社 1989年 611.1/441//K
農村は地域文化を、ひいては国の文化をうみ、かつ育んできたところである。しかし、わが国では、明治期より今日まで農村の近代化に取り組まれた過程で、多くの文化遺産を破壊してきており、いま、農村文化は壊滅寸前である。本書は、これからの農村空間の保全と再生計画の原点を明らかにすると同時に、計画目標を示したもので、日本建築学会の集落計画研究グル?プを中心とした建築分野の農村研究のアイデンティティの成果である。

専任教授 小林正美 推薦
作品集:『 ヒルサイドテラス+ウエストの世界 都市・建築・空間とその生活 』
槇文彦:著
鹿島出版会 2006年 527.8/44//S
「グループフォーム」、「連歌形式」、「ジェネリックな展開」などのキーワードで知られる槇文彦の都市や建築に対する基本概念が最も忠実に具現化されたことで知られる「ヒルサイドテラス」というアーバンコンプレックスは、約30年間の月日を経た今でも更新を続けている。スクラップアンドビルド型の瞬間的再開発ではなく、時代の雰囲気を残しながら時間をかけて展開する街づくりの方法はヨーロッパ型の都市形成を思わせる。座右におきたい図面集である。

学習用:『 変わる家族と変わる住まい 「自在家族」のための住まい論 』
篠原聡子、大橋寿美子、小泉雅生、ライフスタイル研究会:編著
彰国社 2002年 527.1/54//S
大家族型家族の「いろり端のある住居」から個人が過渡的に住む「ワンルーム」に至るまでの我が国の家族構造の変化の経緯を縦軸にとり、今までの家族像とは違った「緩い」人間関係を対象にしたシェアーハウスやコレクティブハウスなどの住宅形式の広がりを横軸にとった住宅論が極めて明快に示されており、学生はもとより現場で活躍する建築家にとっても頭の整理ができる内容となっている。実際の建築作品を事例にとっているところが具体的で好ましい。


専任教授 園田眞理子 推薦
作品集:『 小さな家 』
ル・コルビュジエ:著 森田一敏:訳
集文社 1986年 520.4/350//S
作品集:『 母の家 ヴェンチューリのデザインの進化を追跡する 』
フレデリック・シュワルツ:編著 三上祐三:訳
鹿島出版会 1994年 523/282//S
コルビュジエとヴェンチューリがそれぞれ自身の老親のために心をこめて設計した「小さな住宅」についての書である。モダニズムとポスト・モダニズムをそれぞれ代表する二人の建築家が小さな家をどのように設計していったのかを、直筆のスケッチやコメントで知ることができる。「建築をどう設計するか」の謎解きをしたい人に勧めたい2冊。両書を同時に手にしてみることがポイントです!!

学習用:『 空間<機能から様相へ> 』
原広司:著
岩波書店 2007年 岩波現代文庫G-190
建築家原広司の思考の真髄を知ることのできる書である。簡潔に綴られた文章の裏にある膨大な知識の蓄積とそれを原資にした建築空間への着想の見事さを十分に吟味しつつ、丁寧に読んで欲しい一冊である。特に、「境界論」が面白い。

兼任講師 岡田公彦 推薦
作品集:『 Studio Olafur Eliasson An Encyclopedia 』
Philip Ursprung:著 Olafur Eliasson:寄稿 Burkhard Riemschneider:編集
TASCHEN 2008年 361/1255//S  099/4008//S
現在金沢21世紀美術館で個展開催中のアーチスト、オラファー・エリアソンの作品集。2007年のサーペンタイン・ギャラリー・パビリオンや、テートモダンのタービンホールに太陽を昇らせた「ウェザー・プロジェクト」でも知られる。科学的な実験をも思わせる、自然と建築、光と色彩を操る空間的、構築的なアートは建築関係者にとっても大きな刺激を与えてくれるでしょう。

学習用:『 建築する動物たち ビーバーの水上邸宅からシロアリの超高層ビルまで 』
マイク・ハンセル:著 長野敬、赤松眞紀:訳
青土社 2009年 361/1255//S 481.7/158//S
体長数ミリしかないシロアリが作る超高層の塔や、求愛のための小鳥の美しく装飾された小屋、宿主の建築行動を操る寄生虫、またはアメーバの持ち運び式住居にいたるまで、人間とはまったく異なる建築原理によって作られる構築物の驚きの実例を、実験と観察をくり返しながらその行動原則を検証し、紹介する。人間よりはるかに脳の小さい動物たちが、なぜ複雑な構築物をつくれるのか、その研究成果は人間の建築行動にとっても考えさせられるところが大きいです。


兼任講師 福山博之 推薦
作品集:『 Anish Kappor 』
Homi Bhabha、Nicolas Bourriaud、Jean de Loisy、Norman Rosenthal:著
ROYAL ACADEMY OF ART  2009年 099/4009//S
先日までロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アートで開催されていたアニッシュ・カプーアの展覧会のカタログ。カプーアの作品の多くは、「遠い/近い」や「重い/軽い」等の感覚によるものの存在を、その固定した意味から開放して別の意味をもつ存在に変えてしまい、観る人にこの世の約束事から自由になったような開放感を与えます。

学習用:『 善悪の彼岸 道徳の系譜 』
フリードリッヒ・ニーチェ:著 信太正三:訳
筑摩書房 1993年 ちくま学芸文庫 ニ-1-11
図式的にいうと、ニーチェの思想はプラトンのような透明な理性の立場と対立関係に位置しています。そしてその透明な理性、あるいはキリスト教道徳、ヨーロッパ的心性が如何なる価値顛倒により組み立てられ、浸透させられたかを緻密に解き明かすのが「道徳の系譜」です。プラトン的な透明な理性は建築的思考の代表的な立場ともパラレルです。そしてその代表的な立場が成立したメカニズムを理解することにより、新しい立場を組み立てることが可能なのではないか?ニーチェを読む建築家の多くはそのようなことを考えています。



兼任講師 川田高史 推薦
作品集:『 Jean Prouv uvre complte complete works vol.1、vol.2 』
Peter Sulzer:著 Erika Sulzer-Kleinemeier:最近の写真
Wasmuth 1995年 099/3072//K 099/3072//S
工芸家ジャン・プルーヴェの作品集。建築を構成する様々な要素をドローイングと写真で詳細に解説している。ドローイングと写真を相互に見比べることで、実際のディテールがどのような構成になっているのかが理解できるとともに、アイディアを実現するための「言語としてのドローイング」が、まるで作曲家のつくる楽譜のようにジャン・プルーヴェのイマジネーションと実作とを結ぶ重要なメディアとなっていることが理解できる。

学習用:『 自然な構造体 自然と技術における形と構造, そしてその発生プロセス 』
フライ・オットー、他:著 岩村和夫:訳
鹿島出版会 1986年 524/431//S
近年は計算技術の発達により、複雑な構造の建築物が容易く実現可能となってきているが、建築物を成立させるための構造体と重力との戦いは有史以前から不変である。
本書は自然界に存在するあらゆる物体の構造について詳細に観察・分析しつつ、現存するユニークな建築物の構造体について両者の関連性を分析している。
建築が自然界に存在するものから学べることは沢山あることを気づかせてくれる良書である。

兼任講師 中村弘道 推薦
作品集:『 JAPANESE IDENTITIES 建築を通してみる日本らしさ 』
枝川祐一郎:著
鹿島出版会 2009年 521/182//S
「Japanes Identities Architecture Between Aesthetics and  Nature」(Jovis出版)のドイツの本を日本向けに改訂した版です。現在の学生諸君が意外と日本の事をあまり知らないような感じがありましたの で、日本と外国の相違を認識しながら日本の文化の素晴らしさにもっと精通して、自信を持って、現代建築
融合した建築空間を提案してほしい観点から、世界に発信すべく取り組んでほしいと思います。

学習用:『 日本の曖昧力 融合する文化が世界を動かす 』

呉善花:著
PHP研究所 2009年 PHP新書592
韓国人の筆者がアジア人の立場で日本の文化を含め独自の観点からわかりやすく論じており、とても参考になります。大学で実際に講義をしたものをまとめた書籍となっております。日本人の目でこれを読むと、新しく建築設計に取り込む視点を見つけられるかもしれません。