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2010年冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2011 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2011年1月27日(木)?2月20日(日)
□ 場 所 明治大学生田図書館「Gallery ZERO」

専任講師 川嶋雅章 推薦
学習用:『 美の条例 いきづく町をつくる 真鶴町・一万人の選択』
五十嵐敬喜、野口和雄、池上修一:著
学芸出版社 1996年 318/213//S
美の条例?いきづく町をつくる  真鶴町・一万人の選択
真鶴町まちづくり条例は「美」の創造を目的とした条例である。この町の人々が古来からつくってきた「自然環境」「歴史的環境」「生活環境」などの「良質」を「美」という概念で捉えている。この条例は「まちづくり計画」「土地利用規制規準」や「美の原則」及び「美の規準」「まちづくり審査会」に基づいて建設行為を規制・誘導している。法律・都市計画・建築という専門領域を超えて民主的プロセスで新しいまちづくりを実現した方法論である。

作品集:『 軍艦島実測調査資料集 大正・昭和初期の近代建築群の実証的研究』
阿久井喜孝、志賀秀実編:著
東京電機大学出版局 1984年 099/1254//S
「軍艦島」とは、長崎港より西南18kmの洋上に浮かぶ端島に冠せられた通称で、明治23年より昭和49年の閉山まで良質の製鉄用原料炭を供給しつづけた海底炭鉱の島である。本書は東京電機大学建築学科調査研究グループが、昭和49年の閉山以来10年間にわたって島に遺された歴史的建築群や人工的住環境の実態を調査・実測し、各種の記録図面を作成するとともに、島全体や個別の建物の風化・崩壊の過程を継続的に観察した記録である。

専任教授 園田眞理子 推薦
学習用:『 空間 「機能から様相へ」 』
原広司:著
岩波書店 2007年 岩波現代文庫 G-190
建築家原広司の思考の真髄を知ることのできる書である。簡潔に綴られた文章の裏にある膨大な知識の蓄積とそれを原資にした建築空間への着想の見事さを十分に吟味しつつ、丁寧に読んで欲しい一冊である。特に、「境界論」が面白い。

作品集:『 小さな家 』
ル・コルビュジエ:著 森田一敏:訳
集文社 1986年 520.4/350//S
作品集:『 母の家 ヴェンチューリのデザインの進化を追跡する 』
フレデリック・シュワルツ:編著 三上祐三:訳
鹿島出版会 1994年 523/282//S
コルビュジエとヴェンチューリがそれぞれ自身の老親のために心をこめて設計した「小さな住宅」についての書である。モダニズムとポスト・モダニズムをそれぞれ代表する二人の建築家が小さな家をどのように設計していったのかを、直筆のスケッチやコメントで知ることができる。「建築をどう設計するか」の謎解きをしたい人に勧めたい2冊。両書を同時に手にしてみることがポイントです!!


兼任講師 岡田公彦 推薦
学習用:『 9・11の標的をつくった男 天才と差別―建築家ミノル・ヤマサキの生涯 』
飯塚真紀子:著
講談社 2010年 523.5/52//S
2001年9月11日に発生した「同時多発テロ」で破壊された世界貿易センタービル(WTC)の設計者、ミノル・ヤマサキ。日本ではあまり知られていないが、アメリカでは著名な建築を数多く残す彼の生涯を描いた書である。日系人として差別を受けながらも、自身の信念を貫いたその生き方は彼の設計のそのものにも映し出され、興味深い。

作品集:『 Your Private Sky Discourse R. Buckminster Fuller 』
Joachim Krausse、Claude Lichtenstein:編集
Lars Mueller Publishers 2001年 523.5/53//S
発明家、建築家、数学者、思想家、エコロジスト、エンジニアと幾つもの顔を持つフラーは、現在の環境デザインの先駆者ともいえるだろう。自動車、ボート、可動式住宅、トイレ、ユニットバス、幾何学おもちゃといった小さなものから、巨大ドーム、都市を覆うドームの構想、空に浮かぶ巨大建築の構想、世界的な電力供給システムの構想といったマクロなものまで、その幅広い理論と実践はいまなお多くの示唆を与えてくれる。

兼任講師 川田高史 推薦
学習用:『 記憶 「創造」と「想起」の力 』
港千尋:著
講談社 1996年 081/89/93/S
建築が「創造」する行為であるとするならば、それは即ち「記憶」を生成する行為に他ならないのではないか。- 本書ではこのような視点から様々なジャンルのアーティスト(デ・クーニング、ジャコメッティ、ビル・ヴィオラ、タルボットetc,)のダイナミックな記憶の生成に関わる創作活動を紹介しつつ、想起する力はどこから現れるのか?について問う良書である。

作品集:『 Arne Jacobsen 』
Carsten Thau、Kjeld Vindum:著
The Danish Architectural Press 2001年 099/4054//S
ヤコブセンといえば、セブンチェアに代表されるように現代でも第一線で使われるモダンな家具で有名であるが、彼の建築作品は意外に紹介されていない。
ヤコブセンの作品集は多々あるが、本書はその集大成とも言えるものとなっている。時代を感じさせないミニマムな表現と、シンプルかつ大胆な空間構成は現代における全てのモダニズム建築の礎ともいえるであろう。


専任教授 小林正美 推薦
学習用:『 第一機械時代の理論とデザイン 』
レイナー・バンハム:著 石原達二、増成隆士訳 原広司:校閲
鹿島出版会 1976年 523/61//S
書かれた年代は古いが、我が国の著名な建築家がみな原書を読んで近代建築史を学んだといわれるほど、教科書としては古典的な名著である。デ・シュティール運動やバウハウスなど、西欧を中心とした近代建築運動がどのように発生し、現在にいたっているかを系譜的に辿ることができる。ポスト・モダニズムやミニマリスムなどの潮流を経験した現在、今後どのように建築デザインを創作していくかを考えるときの指標ともなりうるだろう。


作品集:『 丹下健三 』
丹下健三、藤森照信:著
新建築社 2002年 523.1/35//S
丹下健三は、世界的には近代建築運動の第2世代に属する建築家と位置づけられているが、我が国では、まさに近代化そのものを押し進めた「巨匠」であった。メガストラクチャーに代表されるように、都市的スケールで建築デザインを考えることを初めて提唱したパイオニアでもある。本書は、戦後日本の近代建築史そのものである彼の作品集としての意味に加え、人間「丹下健三」を様々なエピソードで浮き彫りにしているところが面白い。

兼任講師 中村弘道 推薦
学習用:『 日本の曖昧力 融合する文化が世界を動かす 』
呉善花:著
PHP研究所 2009年 PHP新書 592
韓国人の筆者がアジア人の立場で日本の文化を含め独自の観点からわかりやすく論じており、とても参考になります。大学で実際に講義をしたものをまとめた書籍となっております。日本人の目でこれを読むと、新しく建築設計に取り込む視点を見つけられるかもしれません。


作品集:『 JAPANESE IDENTITIES 建築を通してみる日本らしさ 』
枝川祐一郎:著
鹿島出版会 2009年 521/182//S
[Japanes Identities Architecture Between Aesthetics and  Nature」(Jovis出版)のドイツの本を日本向けに改訂した版です。現在の学生諸君が意外と日本の事をあまり知らないような感じがありましたので、日本と外国の相違を認識しながら日本の文化の素晴らしさにもっと精通して、自信を持って、現代建築と融合した建築空間を提案してほしい観点から、世界に発信すべ区取り組んでほしいと思います。


兼任講師 福山博之 推薦
学習用:『 善悪の彼岸 道徳の系譜 』
フリードリッヒ・ニーチェ:著 信太正三:訳
筑摩書房 1993年 ちくま学芸文庫 ニ-1-11
図式的にいうと、ニーチェの思想はプラトンのような透明な理性の立場と対立関係に位置しています。そしてその透明な理性、あるいはキリスト教道徳、ヨーロッパ的心性が如何なる価値顛倒により組み立てられ、浸透させられたかを緻密に解き明かすのが「道徳の系譜」です。プラトン的な透明な理性は建築的思考の代表的な立場ともパラレルです。そしてその代表的な立場が成立したメカニズムを理解することにより、新しい立場を組み立てることが可能なのではないか?ニーチェを読む建築家の多くはそのようなことを考えています。


作品集:『 Anish Kapoo 』
Homi Bhabha、Nicolas Bourriaud、Jean de Loisy、Norman Rosenthal:著
Royal Academy of Arts 2009年 099/4009//S
ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アートで開催されていたアニッシュ・カプーアの展覧会のカタログ。カプーアの作品の多くは、「遠い/近い」や「重い/軽い」等の感覚によるものの存在を、その固定した意味から開放して別の意味をもつ存在に変えてしまい、観る人にこの世の約束事から自由になったような開放感を与えます。