HOME >  イベント  > 2012年冬推薦図書

2012年冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2013 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2013年1月19日(土)?月31日(木)
□ 場 所 明治大学生田図書館 Gallery ZERO

専任教授 小林正美 推薦

学習用:『 第一機械時代の理論とデザイン 』
レイナー・バンハム:著 石原達二、増成隆士:訳
鹿島出版会 1976年 523/61//S

書かれた年代は古いが、我が国の著名な建築家がみな原書を読んで近代建築史を学んだといわれるほど、教科書としては古典的な名著である。デ・シュティール運動やバウハウスなど、西欧を中心とした近代建築運動がどのように発生し、現在にいたっているかを系譜的に辿ることができる。ポスト・モダニズムやミニマリスムなどの潮流を経験した現在、今後どのように建築デザインを創作していくかを考えるときの指標ともなりうるだろう。


作品集:『 丹下健三 』
丹下健三、藤森照信:著
新建築社 2002年 523.1/35//S

丹下健三は、世界的には近代建築運動の第2世代に属する建築家と位置づけられているが、我が国では、まさに近代化そのものを押し進めた「巨匠」であった。メガストラクチャーに代表されるように、都市的スケールで建築デザインを考えることを初めて提唱したパイオニアでもある。本書は、戦後日本の近代建築史そのものである彼の作品集としての意味に加え、人間「丹下健三」を様々なエピソードで浮き彫りにしているところが面白い。 

専任准教授 川嶋雅章 推薦

学習用:『 田園で学ぶ地球環境 』
重村力:編著
技報堂出版 2009年 375/546//S

この著書は、いま日本で始まっている田園から学ぶ地球環境の豊かな経験を紹介したものである。田園環境を通して、農村の水やため池などの農村景観が子どもの感性を豊かにすること。また、田園環境が人を育てること。田んぼの学校、山村留学、廃校を生かした自然共生教室などには、田園環境教育のかたちがあること。日本の学校には、校庭や屋上の田んぼや学校の周辺に、自然豊かな学校空間があることなど、様々な事例を紹介している。


作品集:『 日本の伝統的都市空間 デザイン・サーベイの記録 図面篇・解説篇 』
宮脇檀、法政大学宮脇ゼミナール:著
中央公論美術出版 2003年 099/3755//S

デザイン・サ?ベイは、オレゴン大学の手法が規範とされ、1966年以降に日本の各大学の建築学科を中心に広く流布した。デザイン・サ?ベイの概念は、ある目的をもって集落全体、それに準ずるひとつの共同体を実測し、それらを図化することで視覚的な資料を作成、分析する手法である。宮脇ゼミの研究では、一貫して集落の構造と景観を分析するための客観的資料の作成というスタンスをとったもので、学問的、知的財産として貴重である。

「デザイン・サ?ベイ」という調査研究は、オレゴン大学の手法が規範とされ、かつ教育的効果も期待できるとして、1966年以降に各大学の建築学科を中心に広く流布した。従来なのフィ?ルド・ワ?クは、建築単体、もしくは集落の狭い部分の調査を指していたが、デザイン・サ?ベイの概念は、ある目的をもって集落全体、もしくは、それに準ずるひとつの共同体を実測し、それらを図化することによって視覚的な資料を作成、分析する手法である。
 宮脇ゼミでは、一貫して集落の構造と景観を分析するための客観的資料の作成というスタンスをとったものである。

兼任講師 岡田公彦 推薦

学習用:『 空間感 sense of space 』
杉本博司:著
マガジンハウス 2011年 526.7/61//S

ミース・ファン・デル・ローエの<新ナショナル・ギャラリー>やSANAAの<金沢21世紀美術館>、ピーター・ズントーの<ブレゲンツ美術館> など、世界を代表する建築家による美術館に対し、美術家としての杉本博司氏が展覧会開催に際しユーザーとしての格闘を綴った本。科学、建築、歴史、宗教など広範なバックグラウンドからの批評は時代を超えた普遍性を持ちながらも新しい地平を指し示している。


作品集:『Studio Olafur Eliasson an encyclopedia 』
Taschen 2008年 099/4008//S

2007年のサーペンタイン・ギャラリー・パビリオンや、テートモダンのタービンホールに太陽を昇らせた「ウェザー・プロジェクト」でも知られるアーチスト、オラファー・エリアソンの作品集。科学的な実験をも思わせる、自然と建築、光と色彩を操る空間的、構築的なアートは建築関係者にとっても大きな刺激を与えてくれるでしょう。

兼任講師 西久保毅人 推薦

学習用:『 海・呼吸・古代形象 生命記憶と回想 』
三木成夫:著
うぶすな書院 1992年 460.4/167//S

三木成夫はそもそも医者であり、解剖学者です。医者であるという事は、人体という「モノ」もしくは「システム」としての人間、生命と向きあう職業であった訳ですが、そこを根っこにして生えた彼の地球全体、そして古代から脈々と続く生命のリズムにまで及ぶ思想は、いまだにとても新鮮な感覚を我々に与えますし、いきものの「すがたかたち」のもつ意味を教えてくれます。人間であるまえに、生物である事、生物である前に、「器官」である事。よく考えたら、僕らも建築や都市という「モノ」や「システム」を扱う職業ではあり、ぼくらは「すがたかたち」を作ります。立ち現れる「すがたかたち」ってなんだろうか?そんな事を、考えるきっかけになる本であり、彼の他の著書もとても魅力的です。


作品集:『 DISCONT 不連続統一体 』
吉阪隆正、U研究室:著 アルキテクト:編
丸善 1998年 520.3/17//S

吉坂隆正は、コルビジェの日本人3人の弟子のうちの1人として知られていますが、残した建築にしても、著書にしても他の2人とは、全く違います。他の2人がまっとうな「建築家」だとすると、彼は建築というフィールドの中で、地球全体、生命全体のありとあらゆる生命活動を相手にしようとしました。建築を含んだ、てんでバラバラのような地球上の営みは、一見バラバラのようで、実はすべてが緩やかでいびつに連続しています。

大学では、建築を切り離した学問として考えがちですが、まさに僕たちが建築を産みだす社会とは、この「不連続な統一体」であり、そんな中での、建築の弱さ、強さをに触れてもらいたいと思います。



兼任講師 畑本昌輝 推薦

学習用:『 構造デザイン講義 』
内藤廣:著
王国社 2008年 524/516//S

"なぜ?"は建築設計においてとても大事な事である。設計の課程で生じる"なぜ"を突き詰め、一つの建築としてまとめるための基礎を本書は教えてくれる。建築の設計とは、意匠・構造・設備の3分野をまとめ上げる、共同作業である。デザイナーにはエンジニアの考えを、またエンジニアにはデザイナーの意図を理解できるようになってほしい。全ての建築学生に読んで欲しい2冊。


作品集:『 Studio Mumbai 2003-2011 maneras de hacer y de fabricar 』
El Croquis 2011年 099/2804//S

設計と施工が協働する、インドの設計事務所の作品集。彼らの建築が目新しく私たちの目に映るのは何故だろうか。それはきっと日本では作り得ない物だからであろう。私は制約が建築の個性をもたらすとものと思っている。制約の中から選択したものは、そこでしか存在し得ない個性を持つ。また本書では、ものづくりの過程における、実験と検証が垣間見得る。目指す空間はどのような実体と共に存在するのか、またそれをどう作るのか。建築が机上だけでは存在し得ない事を再認識してほしい。

兼任講師 中屋敷公一 推薦

学習用:『 ピーター・ライス自伝 あるエンジニアの夢みたこと 』

ピーター・ライス:著 太田佳代子、瀧口範子:訳
鹿島出版会 1997年 289/611/B/S

世界的に活躍していたアラップの構造家:ピーター・ライスは脳腫瘍で亡くなりました。この本はピーター・ライスが闘病中に執筆した自伝です。様々なプロジェクトを世界的な水準に纏め上げる話しは示唆に富み、多くの勇気をもらった。感受性・発想力豊かな著者が、プロジェクトを通しての様々な才能とのコラボレーションを振り返る内容。設計の仕事は様々な立場の専門家との協働作業である事を改めて考えさせられる内容である。

『 建築の構造とデザイン 』
アンガス・J・マクドナルド:著 渡辺富雄、岡田章:訳
丸善 1996年 524/466//S
『 空間デザインと構造フォルム 』
Heino Engel:著 JSCA:訳
技報堂出版 1994年 524/460/B/S

意匠系を目指す人にとって構造の知識は不可欠である為、上記の2冊を推薦します。


作品集:『 ノーマン・フォスター作品集 1?3 』

ノーマン・フォスター:著 イアン・ランボ ット:編 鈴木博之:監訳 宇野裕美:訳
同朋舎出版 520.8/87//K

ノーマン・フォスターの若い時から今に至る成功への軌跡を俯瞰できる。通常の作品集はプロジェクトの最終的な姿だけですが、この作品集はそのスタディ経過を重視した内容で編集されている。同じ職業(設計者)の立場であればその過程(姿勢)がいかに重要であるかが分かるはずである。私もこの作品集を持っているが何度読んでも学ぶものがある本である。 是非読んでみてほしい。