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2013年冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2014 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2014年1月23日(木)?3月12日(水)
□ 場 所 明治大学生田図書館 Gallery ZERO

准教授 川嶋雅章 推薦

学習用:『 吉武泰水山脈の人々 : 建築計画の研究・実践の歩み 』
「吉武泰水山脈の人々」編集委員会:編
鹿島出版会 2011年 525.1/340//S
この著書は、建築計画学を発展させてきた東京大学の吉武泰水研究室の弟子達30名が、弟子の一人である浦良一(故明治大学名誉教授)の呼びかけにより、社会に出てから各自の発展させてきた建築計画の研究や計画・設計等の実践を各自の立場において、今日の視点で総括し、世に残したいという主旨でまとめたものである。建築計画学を学ぶ学生にとって、貴重な資料である。

作品集:『 堀口捨己作品・家と庭の空間構成 』
堀口捨己:著
鹿島研究所出版会 1974年 099/544//S
この著者の堀口捨己は、従来の様式建築を否定する分離派建築会を結成し、我国の近代建築運動を牽引しつつ、茶室と庭園の研究を大成した研究者で建築家である。また歌人として、さらに明治大学建築学科を創立した人物でもある。この作品集は、50年間の作品を「家と庭の空間構成」としてまとめたもので、この中に、明治大学の校舎の作品が載っている。駿河台・和泉・生田キャンパスの建替えに伴い、現存した多くの作品が失われつつある中、建築家・堀口捨己を学ぶ貴重な資料となるだろう。

准教授 佐々木宏幸 推薦

学習用:『 ランドスケープ・アーバニズム 』
チャールズ・ウォルドハイム:編著 岡昌史:訳
鹿島出版会 2010年 518.8/614//S
「ランドスケープ・アーバニズム」の用語の提唱者であるチャールズ・ウォルドハイムにより編集された本書は、これまでのアーバニズムをめぐる議論に新たな視点を提供する一冊である。同分野の14名の専門家によるエッセイ集は、これからの時代における都市のあり様とその構築手法を、今日的で広範な「ランドスケープ」の視点から論じている。本書が提唱する、建築デザイン、アーバンデザイン、ランドスケープデザインなどを含めた、分野を横断する学際的なアプローチは、これからの都市の構築・再構築にとって不可欠であるとともに、同分野の教育の進むべき方向性も鋭く提示している。

作品集:『 DESIGNING THE HIGH LINE -Gansevoort Street to 30th Street- 』
Field operations, Diller Scofidio + Renfro:著
Friends of the High Line 2008年 
ニューヨークのウエストサイドにおいて、高架貨物線跡を歩行者用空中緑道として整備したハイラインのデザインとその整備プロセスを、多くの写真や図面を用いて示した一冊である。今やニューヨークを代表する目的地となったハイラインのデザインの記録は、高密度な都市における環境との共存の在り方を提示するとともに、公共空間のデザインが都市に与える影響の大きさを提示している。廃線の跡地利用のみならず、ストリートや河川敷空間の整備の在り方に関して多くの示唆を与えるとともに、今後のハイラインの延伸や周辺地区の再開発の行方への関心も喚起してくれる。

兼任講師 白井宏昌 推薦

学習用:『 時間の中の都市 』
ケヴィン・リンチ:著 東京大学大谷幸夫研究室:訳
鹿島出版会 2010年 361/1369//S
都市の物理的環境を体系的にまとめた「都市のイメージ」の著者ケヴィン・リンチが、都市が空間の集積だけでなく、多様な時間の累積でできていることを説いた書である。リンチは長期的変化としての「過去」・「現在」・「未来」だけでなく、「速度」や「リズム」といった都市に起こる様々な活動の短期的変動にも注目しおり、私たちに「時間」と向き合うことの重要性を教えてくれる。

『 時間のなかの建築 』
モーセン・ムスタファヴィ, デイヴィッド・レザボロー:著 黒石いずみ:訳
鹿島出版会 1999年 520.4/175//S
当然のことながら、建築は時間の経過にともない、風化という不可逆的なプロセスを辿るが、本書はそれに抗することがなんとも不自然なことかと改めて気付かせてくれる。ここで書かれているのは、物体としての建築が持つ変化の現象学的な観察であり、そこにまつわる社会的・経済的な事象の考察である。過去の様々な建築の風化のプロセスを探求することで、本書が浮彫にするのは現代建築が信奉する「白さ」の特異性である。

作品集:『 Mies in Berlin 』

Terence Riley, Barry Bergdoll
Museum of Modern Art 2001年 520.8/204//S
20世紀の都市風景の原型を作り上げたと言われるミースの摩天楼。本書はミースが初期のキャリアのなかで、多様なものに影響を受けながら、ガラスの摩天楼等、後世に多大な影響を及ぼした作品を作り上げた過程が豊富な図面とともに示されている。ひとりの建築家の思考の軌跡を追いながら、ミースの作りだすless is more な世界を堪能するにはうってつけの書といえよう。また本書には続編である「Mies in America」もありこちらもお勧め。

兼任講師 西久保毅人 推薦

学習用:『 海・呼吸・古代形象 生命記憶と回想 』
三木成夫:著
うぶすな書院 1992年 460.4/167//S
三木成夫はそもそも医者であり、解剖学者です。医者であるという事は、人体という「モノ」もしくは「システム」としての人間、生命と向きあう職業であった訳ですが、そこを根っこにして生えた彼の地球全体、そして古代から脈々と続く生命のリズムにまで及ぶ思想は、いまだにとても新鮮な感覚を我々に与えますし、いきものの「すがたかたち」のもつ意味を教えてくれます。人間であるまえに、生物である事、生物である前に、「器官」である事。よく考えたら、僕らも建築や都市という「モノ」や「システム」を扱う職業ではあり、ぼくらは「すがたかたち」を作ります。立ち現れる「すがたかたち」ってなんだろうか?そんな事を、考えるきっかけになる本であり、彼の他の著書もとても魅力的です。

作品集:『 DISCONT 不連続統一体 』
吉阪隆正、U研究室:著 アルキテクト:編
丸善 1998年 520.3/17//S
吉阪隆正は、コルビジェの日本人3人の弟子のうちの1人として知られていますが、残した建築にしても、著書にしても他の2人とは、全く違います。他の2人がまっとうな「建築家」だとすると、彼は建築というフィールドの中で、地球全体、生命全体のありとあらゆる生命活動を相手にしようとしました。建築を含んだ、てんでバラバラのような地球上の営みは、一見バラバラのようで、実はすべてが緩やかでいびつに連続しています。大学では、建築を切り離した学問として考えがちですが、まさに僕たちが建築を産みだす社会とは、この「不連続な統一体」であり、そんな中での、建築の弱さ、強さをに触れてもらいたいと思います。

兼任講師 畑本昌輝 推薦

学習用:『 構造デザイン講義 』
内藤廣:著
王国社 2008年 524/516/B/S
『 環境デザイン講義 』
内藤廣:著
王国社 2011年 520.4/374//S
"なぜ?"は建築設計においてとても大事な事であると思います。設計の課程で生じる"なぜ"を突き詰め、一つの建築としてまとめるための基礎を本書は教えてくれる。建築の設計とは、意匠・構造・設備の3分野をまとめ上げる、共同作業です。デザイナーにはエンジニアの考えを、またエンジニアにはデザイナーの意図を理解できるようになってほしい。全ての建築学生にまとめて読んで欲しい2冊。

作品集:『 ルイス・カーン : 光と空間 』
ウルス・ビュッティカー:著 富岡義人、熊谷逸子:共訳
鹿島出版会 1996年 520.8/118/B/S
建築の基礎となる光と空間の関係性に焦点をあて、ルイスカーンの作品を解説した一冊。建築計画の背景と共に、求められる空間を形成する為の光の質はどういうものなのか、またそれをどのような手法でなし得たかを図解にて説明している。人間と内部と外部、建築設計はこれらの関係性の構築を基本としている。この単純な関係性を突き詰めて考えることの大切さを知ってほしいと思います。

兼任講師 中屋敷公一 推薦

学習用:『 ピーター・ライス自伝:あるエンジニアの夢みたこと 』
ピーター・ライス:著 太田佳代子、瀧口範子:訳
鹿島出版会 1997年 289/611/B/S
世界的に活躍していたアラップの構造家:ピーター・ライスは脳腫瘍で亡くなりました。この本はピーター・ライスが闘病中に執筆した自伝です。様々なプロジェクトを世界的な水準に纏め上げる話しは示唆に富み、多くの勇気をもらった。感受性・発想力豊かな著者が、プロジェクトを通しての様々な才能とのコラボレーションを振り返る内容。設計の仕事は様々な立場の専門家との協働作業である事を改めて考えさせられる内容である。

『 建築の構造とデザイン 』
アンガス・J・マクドナルド:著 渡辺富雄、岡田章:訳
丸善 1996年 524/466//S
『 空間デザインと構造フォルム 』
Heino Engel:著 JSCA:訳
技報堂出版 1994年 理/ノ//S
その他の推薦する学習図書。意匠系を目指す人にとって構造の知識は不可欠である為、上記の2冊を推薦します。

作品集:『 ノーマン・フォスター作品集:チーム4&フォスター・アソシエイツ1?3 』
ノーマン・フォスター:著 イアン・ランボット:編 鈴木博之:監訳 宇野裕美:訳
同朋舎出版 1993年 520.8/87//K
ノーマン・フォスターの若い時から今に至る成功への軌跡を俯瞰できる。通常の作品集はプロジェクトの最終的な姿だけですが、この作品集はそのスタディ経過を重視した内容で編集されている。同じ職業(設計者)の立場であればその過程(姿勢)がいかに重要であるかが分かるはずである。私もこの作品集を持っているが何度読んでも学ぶものがある本である。 是非読んでみてほしい。