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2014年冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2015 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2015年1月23日(金)?2月19日(木)
□ 場 所 明治大学生田図書館 Gallery ZERO

教授 園田眞理子 推薦

学習用:『 里山資本主義 : 日本経済は「安心の原理」で動く 』
藻谷浩介, NHK広島取材班:著
角川書店 2013年 332/1102//S
マルクス経済学、近代経済学、そしてマネー経済学と続いてきた100年間の経済の常識をぶちやぶり、今は非常識だけど、近い将来常識になるかもしれない、悠々自適の生活と経済のあり方を、日本の里山で見出し、それを丹念にルポルタージュした傑作本。建築分野の人にとっては、CLT構法など中部ヨーロッパを中心に広がっている木造工法の新しい可能性や、里山でのユニークかつ堅実なライフスタイルの可能性など、目を見開かされること絶対である。少し疲れたかな・・・という時にぜひ読んでほしい本。元気になることを約束します。

作品集:『 ライフ=ワークス=プロジェクト : クリストとジャンヌ=クロード 』

クリスト, ジャンヌ=クロード :作 柳正彦:著
図書新聞 2009年 719/3//S
環境と戯れながら、時には対峙しながら、私たちにとって「環境」とは何かと多くのことを問いかける活動を生涯にわたって、地球のあちこちで展開してきたクリストとそのパートナー、ジャンヌ=クロードの作品集。彼らの元でスタッフ活動をしてきた柳正彦氏がこれをまとめた。道を橋を島を梱包したり、大地に布をはりめぐらすことで、傘を立てることで周囲の環境を一変させ、ものの存在や環境とは何かを根本から私たちに問い直させる。クリストたちの不思議な活動が、私たちの何かを変える・・・。

准教授 佐々木宏幸 推薦

学習用:『 ランドスケープ・アーバニズム 』

チャールズ・ウォルドハイム:編著 岡昌史:訳
鹿島出版会 2010年 518.8/614//S
「ランドスケープ・アーバニズム」の用語の提唱者であるチャールズ・ウォルドハイムにより編集された本書は、これまでのアーバニズムをめぐる議論に新たな視点を提供する一冊である。同分野の14名の専門家によるエッセイ集は、これからの時代における都市のあり様とその構築手法を、今日的で広範な「ランドスケープ」の視点から論じている。本書が提唱する、建築デザイン、アーバンデザイン、ランドスケープデザインなどを含めた、分野を横断する学際的なアプローチは、これからの都市の構築・再構築にとって不可欠であるとともに、同分野の教育の進むべき方向性も鋭く提示している。

作品集:『 Designing the High Line : Gansevoort Street to 30th Street 』
field operations, Diller Scofidio + Renfro:著
Friends of the High Line 2008年 520.8/401//S
ニューヨークのウエストサイドにおいて、高架貨物線跡を歩行者用空中緑道として整備したハイラインのデザインとその整備プロセスを、多くの写真や図面を用いて示した一冊である。今やニューヨークを代表する目的地となったハイラインのデザインの記録は、高密度な都市における環境との共存の在り方を提示するとともに、公共空間のデザインが都市に与える影響の大きさを提示している。廃線の跡地利用のみならず、ストリートや河川敷空間の整備の在り方に関して多くの示唆を与えるとともに、今後のハイラインの延伸や周辺地区の再開発の行方への関心も喚起してくれる。


兼任講師 白井宏昌 推薦

学習用:『 時間の中の都市 : 内部の時間と外部の時間 』

ケヴィン・リンチ:著 東京大学大谷幸夫研究室:訳
鹿島出版会 2010年 361/1369//S
都市の物理的環境を体系的にまとめた「都市のイメージ」の著者ケヴィン・リンチが、都市が空間の集積だけでなく、多様な時間の累積でできていることを説いた書である。リンチは長期的変化としての「過去」・「現在」・「未来」だけでなく、「速度」や「リズム」といった都市に起こる様々な活動の短期的変動にも注目しおり、私たちに「時間」と向き合うことの重要性を教えてくれる。

作品集:『 Small, medium, large, extra-large
: Office for Metropolitan Architecture, Rem Koolhaas and Bruce Mau 』

Jennifer Sigler:編 Hans Werlemann:写真
Monacelli Press 1995年 523/393/B/S
レム・コールハースが自身の事務所Office for Metropolitan Architecture (OMA)の作品をその規模によって、S,M,L,XLに分類した作品集である。通常の建築家の作品集と異なり、竣工写真を羅列するだけでなく、各プロジェクトの背景やプロセス、あるいはそこから想起される社会現象など、具体的なプロジェクトを通して、建築的思考の拡張を探求した本。また、グラフィック・デザイナーのブルース・マウと組むことによって、視覚表現の点でも従来の建築作品集とは一線を画している。初版の発行からはすでに20年ほど経っているが、今なお新鮮な驚きを与えてくれる書である。

兼任講師 西久保毅人 推薦

学習用:『 海・呼吸・古代形象 : 生命記憶と回想 』

三木成夫:著
うぶすな書院 1992年 460.4/167//S
三木成夫はそもそも医者であり、解剖学者です。
医者であるという事は、人体という「モノ」もしくは「システム」としての人間、生命と向きあう職業であった訳ですが、そこを根っこにして生えた彼の地球全体、そして古代から脈々と続く生命のリズムにまで及ぶ思想は、いまだにとても新鮮な感覚を我々に与えますし、いきものの「すがたかたち」のもつ意味を教えてくれます。人間であるまえに、生物である事、生物である前に、「器官」である事。
よく考えたら、僕らも建築や都市という「モノ」や「システム」を扱う職業ではあり、ぼくらは「すがたかたち」を作ります。立ち現れる「すがたかたち」ってなんだろうか?そんな事を、考えるきっかけになる本であり、彼の他の著書もとても魅力的です。

作品集:『 DISCONT : 不連続統一体 』
吉阪隆正, U研究室:著 アルキテクト:編
丸善 1998年 520.3/17//S
吉坂隆正は、コルビジェの日本人3人の弟子のうちの1人として知られていますが、残した建築にしても、著書にしても他の2人とは、全く違います。他の2人がまっとうな「建築家」だとすると、彼は建築というフィールドの中で、地球全体、生命全体のありとあらゆる生命活動を相手にしようとしました。
建築を含んだ、てんでバラバラのような地球上の営みは、一見バラバラのようで、実はすべてが緩やかでいびつに連続しています。
大学では、建築を切り離した学問として考えがちですが、まさに僕たちが建築を産みだす社会とは、この「不連続な統一体」であり、そんな中での、建築の弱さ、強さをに触れてもらいたいと思います。


兼任講師 池村圭造 推薦

学習用:『 アースダイバー 』
中沢新一:著
講談社 2005年 213/148//S
今期のスタジオ課題のための参考文献の中から、本書を紹介します。
展開されている東京の論考そのものについては、恐らく賛否あるのではないかと思いますが、その受け止め方は読者次第だとして、論考のもとになっている、東京の地形を洪積層と沖積層に分けた地図には、一見の価値があるのではないかと思います。そして、何よりも、本書に登場する地名や写真が具体的であることが、東京の街をあらためて考えるきっかけを、読者に与えてくれるように思います。

作品集:『 Louis I. Kahn houses : ルイス・カーンの全住宅 1940-1974 』
齋藤裕:写真・著
TOTO出版 2003年 527/451/B/S
誰しも設計をする時に、いつでも手に取ることが出来るように、机の脇に平置きにしていた作品集というのがあったかと思いますが、一時期の私にとってのそれがこの一冊でした。写真はもとより、ときに印刷で霞んだ収録図面の文字や数字をなんとかして読み取ろうと、眼力を込めながらも半眼でじっとページを睨みつけていたこともしばしばでした。
全編にわたって撮影を行った建築家(齋藤裕氏)の、カーン建築に対する眼差しが窺える写真集としても、興味深い作品集だと思います。

兼任講師 中屋敷公一 推薦

学習用:『 ピーター・ライス自伝:あるエンジニアの夢みたこと 』
ピーター・ライス:著 太田佳代子, 瀧口範子:訳
鹿島出版会 1997年 289/611/B/S
世界的に活躍していたアラップの構造家:ピーター・ライスは脳腫瘍で亡くなりました。
この本はピーター・ライスが闘病中に執筆した自伝です。
様々なプロジェクトを世界的な水準に纏め上げる話しは示唆に富み、多くの勇気をもらった。
感受性・発想力豊かな著者が、プロジェクトを通しての様々な才能とのコラボレーションを振り返る内容。
設計の仕事は様々な立場の専門家との協働作業である事を改めて考えさせられる内容である。

作品集:『 ノーマン・フォスター作品集 : チーム4&フォスター・アソシエイツ 』
ノーマン・フォスター:著 イアン・ランボット:編 鈴木博之:監訳 宇野裕美:訳
同朋舎出版 1993年 520.8/87//K
ノーマン・フォスターの若い時から今に至る成功への軌跡を俯瞰できる。通常の作品集はプロジェクトの最終的な姿だけですが、この作品集はそのスタディ経過を重視した内容で編集されている。
同じ職業(設計者)の立場であればその過程(姿勢)がいかに重要であるかが分かるはずである。
私もこの作品集を持っているが何度読んでも学ぶものがある本である。 是非読んでみてほしい。