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2008冬推薦図書


明大建築/計画・設計スタジオワークス展 2009 WINTER

□ 主 催 明治大学理工学部建築学科
□ 期 間 2009年1月19日(月)?2月15日(日)
□ 場 所 明治大学生田図書館「Gallery Zero」


専任講師 川嶋雅章 推薦

作品集:『 今和次郎・民家見聞野帖 』
今和次郎 著、竹内芳太郎 編
柏書房 1986年 D01E5/099-1441//SZ
日本の民家研究の基礎を築いた今和次郎は、旅にはいつもスケッチブックを携帯されていた。スケッチブックには、鉛筆書き、一部水彩着色で、聞き取りメモ、外観スケッチ、図面(配置、平面、立面、断面、詳細)、材料、透視図、日記などが収録されている。本書は、日本や朝鮮半島の各地を訪れ民家調査を記録したスケッチブック「見聞野帖」から、民家資料を竹内芳太郎が地方別に編集したものである。民家建築の貴重な図書として推薦する。

学習図書:『 ボロ-ニャの試み : 新しい都市の文化 』
ピエ-ル・ルイジ・チェルベッラ-ティ 著、加藤晃規 監・編・訳
香匠庵 1986年 099/1473//S
イタリアのボロ?ニャで進められてきた歴史的市街地における修復・再生計画の報告である。現代の都市は大都市的拡大を前提としてきたが、ボロ?ニャでは、近代都市計画への批判として、インナ?シティにおいて新しい都市文化への挑戦を行っている。地区評議会による都市の社会的管理、都市計画に住民参加を取り入れ、公共の概念を自治体のレベルから住民の側へ一歩近づけている。今後の住民参加のまちづくりの参考となる著書である。

専任教授 小林正美 推薦

作品集:『 スキン+ボーンズ―1980年代以降の建築とファッション 』
国立新美術館 2007年
2007年に国立新美術館で開催された同名の展覧会のカタログ。1980年代以降の建築とファッションの世界では、コンピュータ技術の発達もあって、お互いに接近し刺激しあいながら発展した部分が見られる。この展覧会では、ディラー・スコフィディオ+レンフロ、ゲーリー、アイゼンマン、チュミ、デナーリ、FOA、SANAA、坂茂、伊東豊雄、ヘルツォーク&ムロンなど当代有数の作家が多く採り上げられているところが面白い。

学習図書:『 モダンランドスケープアーキテクチュア 』
マーク トライブ、三谷 徹 著
鹿島出版会 2007年 518.8/393//S
ランドスケープにおける整形様式と自然風様式における二極性の問題や、フレデリック・ロウ・オルムステッドの影響の強かった米国における近代ンドスケープの発展の系譜が分かりやすく記述してある。ダン・カイリー、ガレット・エクボなど日本人にはなじみの無い人々の名前が出てくるが、近代建築の発展と緊密な関係性の中でパラレルに発展したランドスケープの系譜は、私たち建物を扱う者にとっては貴重な情報であると思われる。

専任准教授 田中友章 推薦

作品集:『 Education of an architect 』
John Hejduk、Richard Henderson 著
Rizzoli 1988年 D01H4/099-2044//KZ
1970年代から学部長をつとめたジョン・ヘイダックに率いられ、ユニークな建築教育を実践したクーパーユニオンの12年の成果をまとめた書物。コンセプチュアル、実験的と称されるプロジェクトに、学生たちが意欲的かつ精力的に取り組んだ成果が垣間みれる。
建築をはかる価値軸は複数存在する。デザインする者は、自らがどこに立つのかを考え、モノをつくる必要がある。その定位作業のために、ひとつの極を示してくれる一冊。

学習図書:『 現代建築史 』
ケネス・フランプトン 著、中村敏男 訳
青土社 2003年 523/362//S
『 Modern Architecture: A Critical History(原著)』
Kenneth Frampton
Thames & Hudson 2007年 523/129/B/S
ケネス・フランプトンによって20世紀後半に書かれた定番的な歴史書の1つ。私が20年前にイェール大学の大学院に留学した時に、同じスタジオの学生が全員既に学部の時に読んでいたのを知り、すぐにペーパーバックを買ってA+U連載中の和訳と照らし合わせて読んだことを思い出す。通史を学び歴史的感覚を得ることが、デザインにとっても重要であることを知ることができる一冊。是非、原書を買って一緒に読んでください。

兼任講師 池村圭造 推薦

作品集:『 Houses of the century 』

Anatxu Zabalbeascoa 著、 Graham Thomson翻訳
Gingko Pr Inc 1998年 527/526//S
20世紀のおよそ100年間にわたって建てられた、住宅建築の名作26の「今」を見ることが出来る作品集です。これまで、当時の白黒写真か画質の悪い小さな写真でしか見たことの無かったあの住宅の今日の様子が、詳細も鮮明に大判のカラー写真で紹介されています。住み手と共に時代を経てきた建築の、確かな存在感がうかがえる一冊です。なかでも、ヴィラ・マラパルテ(Villa Malaparte)は圧巻、の一言に尽きます。

学習図書:『 間・日本建築の意匠 』
神代雄一郎 著
鹿島出版会 1999年 521/153//S
長年、明大で教鞭をとられた神代雄一郎先生の名著です。本来ならば、美しい写真と共に綴られた「日本の美術 日本建築の空間」を推薦の書としたいところでしたが、残念ながら廃版とのことで、その本文が収録された本書を推薦させていただきます。同書後編に収録の論文「九間論」も併せ、日本建築意匠論の大きな足跡を知る意味で、明大生なら必読の書と言えるでしょう。

兼任講師 平木繁 推薦

作品集:『 Utzon : inspiration, vision, architecture 』
Richard Weston 著
Bløndal 2002年 099/3721//S
20世紀を代表する建築、シドニー・オペラハウスの建築家、ヨーン・ウツソンの作品集。その形のあまりの独創性から、形を変えて実現されたオペラハウス。時代が追いついていなかったともいえる。またウツソン自身も政治に翻弄され、途中で設計を離れざるを得なかった。建築家が立ち向かうべきものは多い。
天才的なスケッチ、独創的な設計手法と空間を操る建築家の作品集からは、建築の自由さ、多様さ、楽しさなど、見るだけでも得るものは多い。

学習図書:『 ピーター・ライス自伝 : あるエンジニアの夢みたこと 』
ピーター・ライス 著、太田佳代子、瀧口範子 訳
鹿島出版会 1997年 289/611//S
シドニーの構造設計も行った世界的な構造、設備事務所であるアラップ社を代表するエンジニアの一人、ピーター・ライスがいかに世界の名建築に取り組んだか、惜しまれて1992年になくなった彼は、エンジニアと建築家を区別してこのように書いている「建築家は課題に対してクリエイティブに対応するが、エンジニアは本質的に革新性に満ちた方法をとる」とエンジニアとは何か?建築家とは?
そこには、その困難さを越えて、建築を創造することの楽しさとすばらしさがある。君達も創造のみちをみてみないか。

兼任講師 川田高史 推薦

作品集:『 Sigurd Lewerentz, 1885-1975 』
Nicola Flora、Paolo Giardiello、Gennaro Postiglione 著
Electa Architecture 2002年 099/1627//K
モダニズム黎明期にアスプルンドと共に活躍したスウェーデンの建築家。20世紀初頭、時代が大きく変わろうとしていたその時期に、敷地の気候や風土、その場所で手に入る素材を生かしながら丁寧に描かれたスケッチやドローイングは、いずれも彼の思考過程が色濃く残り、一見の価値があります。
極端に単純化された薄い建築が流行っていますが、それらの建築を考える上でも、一度この本を手にとって彼の引く一本の線の意味をじっくりと考えてみて下さい。

学習図書:『 肉への慈悲 : フランシス・ベイコン・インタヴュー 』
デイヴィッド・シルヴェスター、フランシス・ベイコン 著、小林等 訳
筑摩書房 1996年 723/464//W
アイルランド出身の画家、フランシス・ベーコンの貴重なインタビュー集。彼が何を考え、どのような精神状態のなか、どんなプロセスで作品を生み出していったのかを彼自身が冷静かつ客観的に語っています。
具象と抽象、必然と偶然、意識と無意識・・私たちが設計するときに直面する問題にも通ずるこれらの様々な事象について、これほど的確に述べられている書は他に存在しないでしょう。皆さんは普段どのようなことを思いながら設計をしていますか?


兼任講師 中村弘道 推薦

作品集:『 デュラン比較建築図集 [本編]/解説 』
長尾重武 編・著
玲風書房 1996年 099.3/29//S
1800年にフランスで刊行された歴史的出版物で、古代から現代に至るまでの各種建築物を同一スケールで集大成してあり、各建造物の比較検討をしながら、平面形を身につける上で貴重である。 将来、旅行に行き現実に建築物を見たときに役に立つ。

学習図書:『 ふすま 』
向井一太郎 著
住まいの図書館出版局 1997年 527/206//S
日本の住まいの光と影、空気と肌合いが襖という建築の構成要素として、生活や日本人の繊細さにどのように作用しているかを語っている。日本の言葉と空間のコンセプトがきわめて密接に絡み建築の所作として成立しているかを理解できる。襖そのものの技術ではなくその裏に隠された精神構造が日本を創っていたのだという観点で一読の要があると思う。