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大学院 設計スタジオ2課題説明+伊藤暁氏レクチャー「ヴァナキュラーのリアリティ」


大学院の設計スタジオ2では、2015-2016年度の2カ年にわたり、兼任講師に建築家の伊藤曉氏を迎え、徳島県神山町をフィールドとする「神山スタジオ」を展開します。今年度のキックオフとなる課題説明と伊藤曉氏のレクチャーを下記のとおり行いますので参加ください(課題主旨は下記参照)。

*課題説明・レクチャーとも公開
 履修者の出席は当然ですが、履修の有無や学年を問わず、自由に参加できます。とくに現4年生(来年この授業を履修する可能性のある人)は是非参加してください。


設計スタジオ2 課題説明+伊藤曉レクチャー
2015年6月12日(金)18:00〜
生田キャンパスA館11F A1119(自在画室)

1) 課題説明
2) 伊藤曉レクチャー 
 ヴァナキュラーのリアリティ Reality of the Vernacular
3) 質疑応答
4) 懇親会(希望者のみ)

科目担当教員:青井哲人(幹事)+園田眞理子

2015-16 大学院 設計スタジオ2

 1997年、徳島県は神山町に「国際文化村」を設ける構想を発表。文化村構想は実現しなかったが、町内の住人らにより、1999年より芸術家を招へいする「神山アーティスト・イン・レジデンス」事業を開始。国際文化村委員会は2004年にNPO法人グリーンバレーに名を改め、町から受託した移住支援事業や、緊急人材育成支援事業などを行う。県が2011年までに地上デジタル放送難視聴対策の一環として県内全域に光回線網を整備したこともあり、2010年10月に、クラウド名刺管理サービスのベンチャー企業が同町で初めて古民家をオフィスとしたのをはじめ、IT企業のサテライトオフィスの進出が相次ぐ。このことから2011年には、神山町が誕生した1955年以来初めて社会動態人口が増加に転じた。

 この神山町でユニット(バスアーキテクツ)あるいは個人として、建築設計を中心としつつも幅広い活動を続けている伊藤曉氏を兼任講師に迎え、リサーチ+デザイン・スタジオを展開する。

 グローバル経済の伸長、新自由主義的な経済・社会政策によってますます大都市から切り離されていくように見える地方こそが、むしろその条件を上手に受け入れることで相対的に自由な地域づくりに腰を据えて取り組める状況が現れてきた。こうしたジェネラルな趨勢が、地域の社会=空間とはまるで異質なIT企業の進出というきわめてユニークな形で顕現している神山町という〈場〉のありようをどう捉えるかに取り組みたい。

2015課題:
ヴァナキュラーなもののテクトニクス (Tectonics of the Vernacular)

 1年目は地域環境の結構(組み立てられ方)を読解し、かつそれとの緊張において新たな環境の結構術(組み立て方)を模索するスタジオを展開したい。したがってリサーチとデザインは、互いに緊密な批評的関係性をもつように、それ自体自覚的に設計されなければならない。そこで、リージョナリズム、コンテクスチャリズム、ヴァナキュラリズム、ラショナリズムなどの方法の「在庫」の整理・点検をひとつの課題としたい(プレゼミとして読書会を行う)。
 ソーシャルな関係や課題もむろん重要だが、しかし、このスタジオではフィジカルなモノの結構についての観察と思考を研ぎ澄ますことに重心を置き、そこからソーシャルな関係への思考を組み立てなおすようにしたい。