明治大学 MEIJI UNIVERSITY

山本俊哉先生, 日本不動産学会賞と都市住宅学会賞をダブル受賞

Posted : 2021.12.11 / Award

山本俊哉教授が編者・共著者として取りまとめた学術書が2021年度日本不動産学会賞・著作賞(学術部門)と2021年度都市住宅学会賞・著作賞を受賞し, それぞれ11月27日と12月11日に開催された各学会大会で表彰された。 受賞した研究成果は、東日本大震災において甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市を対象に震災直後から10年間に渡る応急仮設住宅の暮らしを実証的かつ学際的に研究した学術書『仮設住宅 その10年 -陸前高田における被災者の暮らし-』 (御茶の水書房, 2020年12月)。

本書は, 仮設住宅の建築性能や仮設コミュニティから外部支援まで, 被災者の仮設住宅における暮らしそのものを多角的に捉え, 住宅再建と地域再生を目指した被災者自身の不動産の取り扱いや土地利用と資産をめぐる葛藤を即地的に描き出した。そして,仮設住宅を単に一時的な生活の場としての居住空間を問題にするだけでなく, 地域再生の大きなプログラムやプロセスの一部としての仮設住まいの段階における居住と住宅再建に向けた被災者の主体的な活動, それを支える不動産や都市計画などの社会システムについて, 豊富かつ有用なデータをもとに, そのあり方を問うた点が両学会において高く評価された。

共著者は、山本俊哉教授とともに震災直後から陸前高田市内の被災者を支援してきた研究者と実務者であり, 藤賀雅人(工学院大学建築学部准教授)と森脇環帆(草苑保育専門学校専任講師,明治大学客員研究員)は本学大学院理工学研究科博士課程の在籍当時から山本俊哉研究室の学生・大学院生とともに陸前高田市の仮設住宅や復興街づくりの調査研究を重ねてきた。