明治大学 MEIJI UNIVERSITY

晉 沂雄JIN Kiwoong

准教授 / 耐震構造研究室

教員データベース

Room 生田キャンパス 第二校舎A館1014室
Email jin■meiji.ac.jp(■を@に置き換えてください)
Tel 044-934-7338

略歴

慶熙大学卒業。東京大学大学院修士・博士課程修了(博士(工学))。東京都立大学(特任助教),東北大学(助教)を経て,2018年に本学着任(専任講師)。2021年から現職(専任准教授)。受賞に日本コンクリート工学会(論文),日本地震工学会(論文)ほか。


研究室の概要

世界各地では様々な地震被害が発生しており,そのなかでも甚大な地震被害に見舞われた日本では,震災から人命や財産を守るための努力を怠らず続けています。その結果,現在の耐震技術は世界の最先端となっており,耐震安全性のみならず修復性・機能性など,耐震に対する社会的要求はより高い水準へ移行しています。そこで本研究室では,日本だけでなく世界各地の地震被害を軽減すべく,コンクリート系建築物(RC・PC・RM・URM等)の構造性能を検討・評価するとともに,その構造性能の向上を目指した実験的・解析的研究を行っています。これらの研究活動を通じて,より安全で安心できる構造性能を社会へ提供し,持続可能な社会の構築を図っています。


研究室が求める人材

何よりやる気と積極的な姿勢を持ち,建築構造分野に興味を持っていることが重要です。また,本研究室では,お互いの研究に対して共同実験を実施することもあるので,協調性が望まれ楽しくできることが好ましです。研究室配属時の選考では,学業成績,建築構造分野への興味及び基礎知識,研究に対する積極的な姿勢及び協調性等に基づき評価します。また,卒業研究に取組むための前提知識として,「鉄筋コンクリート構造」及び「構造・材料実験1,2」を履修していていることが望まれます。


研究ピックアップ

アンボンドPC構造の構造性能評価

グラウト充填作業を不要とするPC(プレストレスト・コンクリート)構造では,アンボンドPC鋼材の使用によって,ひび割れ抑制効果及び高復元性に加え,施工性の向上や損傷・劣化部材の交換といった様々な利点が生まれます。そこで,建物の構造設計に臨むにあたりRC構造やPC構造といった構造種別の選択肢を拡大しつつ,今まで以上の多様な要望に応えるため,高い優位性を有するアンボンドPC構造の活用に向けた構造性能や復元力特性の評価も行っています。

アンボンドPC構造の構造性能評価

十字形アンボンドPC部分骨組の加力実験


卒業論文 / 卒業設計テーマ(2021年度)

  • RC柱梁接合部の降伏破壊及び軸崩壊機構の検討・構造性能評価
  • 建物軽量化を目指したスマート(ボイド)部材の開発・構造性能評価
  • アンボンドPC部材の復元力特性の評価・構造性能評価
  • スマート(アンボンドPC+RC)部材の開発・復元力特性の評価・構造性能評価
  • 補強組積(RM:有孔煉瓦+鋼材補強)部材の開発・構造性能評価
  • 無モルタル耐震コンクリートブロックの開発・構造性能評価

修士論文 / 修士設計テーマ(2021年度)

  • RC柱梁接合部の降伏破壊及び軸崩壊機構の検討・構造性能評価
  • 建物軽量化を目指したスマート(ボイド)部材の開発・構造性能評価
  • アンボンドPC部材の復元力特性の評価・構造性能評価

在学生の声

大学院修士2年・高橋諒

大学院修士2年・高橋諒

研究室では,RC造柱部材の新たな構造部材の開発を実験・解析の両面からアプローチしています。来年度からは,得られた経験・知識を活かして構造設計者として働きます。この研究室では実験を行うことも多いのですが,実験は一人ではできず,皆と協力しながら行うため,研究室の仲間と自然に仲が良くなります。研究室の雰囲気は明るく活発で,また,設立五年目で比較的新しいため,研究室活動を良くしていこうという動きが活発です!

学部4年・根岸真子

学部4年・根岸真子

研究室ではRC構造の力学特性や構造計算方法を学習すると同時に「アンボンドPC構造」に関する研究を行っています。個性的で主体性のある友達と,難しい研究内容も優しく教えてくれる優秀な先輩方に恵まれ,和気あいあいと明るい雰囲気で活動しています。先生も研究内容についてどんな些細なことでも納得のいくまで相談に乗ってくれる,とても生徒思いの方です。残りの学生生活を楽しく過ごしたい学生にはお勧めできる研究室です!


卒業生の声

2021年度 博士前期課程修了・(株)石本建築事務所・佐野由宇

2021年度 博士前期課程修了・(株)石本建築事務所・佐野由宇

学部を含めた3年間でRC接合部に関する研究を行いました。本研究は東京都立大学・北山研究室と共同で行っていますが,社会人になり周りと話をすると,他大学との共同研究は珍しかったことが分かりました。晉先生からはもちろん他大学の先生からも直接ご指導頂ける貴重な機会を得て,更に査読論文が投稿できる成果まで漕ぎつけられた経験は私自身の大きな糧となっています。実験,解析,論文投稿と色々チャレンジできる研究室です!

2021年度 博士前期課程修了・JR東日本建築設計・上野彩菜

2021年度 博士前期課程修了・JR東日本建築設計・上野彩菜

私はアンボンドPC構造の研究を3年間行い,現在は設計事務所で構造設計をしています。晉研究室は,試験体の設計から製作,実験,解析まで一貫してできるのが一番の魅力です。成果として論文も投稿できます。研究で行き詰まった時,相談しやすい先生の存在や研究内容・学年問わず声をかけやすい研究室の雰囲気に助けられました。私は3年間で20箇所以上旅行に行きましたが,皆さんも是非,研究も自分の時間も両方充実させて下さい!