Room | 生田キャンパス 第二校舎A館A1117室・A1118室 |
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Tel | 044-934-7327 |
Website |
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2000年東京都立大学卒業後、2001年同大学大学院修士課程修了。首都大学東京 助教などを経て、2012年に明治大学に着任。アソシエイツ株式会社 パートナー。現在、明治大学出版会 編集委員長、東京藝術大学 非常勤講師を兼務。第17回ヴェネチア·ビエンナーレ国際建築展では日本館のキュレーターを務めた。
専門は建築構法、構法計画、建築設計。著書に『ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡』(TOTO出版、2020)、建築作品に『門脇邸』(2018)、受賞に日本建築学会作品選奨(2020)など。
「建築」とは、空間と環境の創造にまつわるあらゆる行為全体を指す語ですが、その中には、建築を通じて哲学的命題や科学的真理などを探求することも含まれます。そして、その探求の結果は、あくまで物理的実体としての建物によって媒介される必要があります。すなわち建物は、この豊かな創造的行為と、創造にまつわる「知」を記録する媒体であると考えることができるわけですが、本研究室は、建物の物理的実体についての研究と、建築的な実践を通じて、建物が記録した/記録しうる知を、社会と広く共有するための方法論を追求することを研究上の目標とします。
また建築的な創造と知は、人間の精神的な活動ばかりではなく、身体的な活動にも深く根差すものですが、本研究室は、建築的な創造に対して精神的にも身体的にも/理論的にも実践的にもアプローチできる人材を育む「学び」を創造することを教育上の目標とします。
本研究室では、構成員(所属する教員および学生)それぞれの主体的判断に基づき、個人やフレキシブルなチーミングによる活動を行っています。
個人研究のテーマは、各人の問題意識に基づきながらも、研究室の構成員全員で議論を行い決定していきます。他の人とは交換不可能な、自分固有のテーマを、多くの人と共有可能な問題として育て上げることが研究室の基本姿勢となっています。自身の学びを、多くの人へと還元しようとする意識を持つ人材を求めています。
学部生の研究室配属時には、「建築が好きなこと」に加えて、「建築構法」、「建築設計1」、「建築設計2」、「建築設計3」、「建築設計総合a・b」の単位を取得していることを求めています。
研究室のプロジェクトとして、自主研究・建築設計・技術開発・社会支援・コンサルティング・キュレーションなどの実践を随時行っており、実施のプロジェクトに取り組むこともあります。 このプロジェクトは飲食店からオフィスへのリノベーションです。雑多でバラバラなエレメントが共存できる建築のあり方を探求しました。あわせて、建築生産の回路も多様化させるため、一部の什器は研究室で開発し、学生自身で制作しています。 完了後は、論文としての発表に加えて、『新建築』等の建築作品誌で教員と学生の連名作品として発表しています。
研究室は、先生を含めた構成員全員が対等な関係で議論できる場です。個性的な仲間がそれぞれの興味のもと、日々活発に個人研究やプロジェクトを行い、それらを全員で考え、自由に議論する場としてゼミが存在しています。
それと同時に、「あそび」の場でもあります。かけがえのない仲間とともにそこで日々繰り広げられる雑談は、時に自分の思考の限界を超えた新たな視座を与え、思いもよらないクリエイティビティを発揮するのです。
僕にとって研究室を一言で表すなら高談闊歩です。ゼミの時間も、そうでない時間でも、研究室では盛んに議論が行われ、それらが自分たちをつくっているという確かな実感があります。たくさんの興味深い活動が同時多発的に発生し、皆それぞれの軸をもって一生懸命に取り組んでいます。それらに刺激を受けながら、あるいは与えながら、研究室という総体を前進させているという経験はとてもかけがえのないものであり、僕の誇りです。
私は卒業設計や修士論文、実施のプロジェクトを通じて門脇研と向きあいました。テーマやスタート地点は本当になんでもよく、まずは些細な興味や可能性をかたちにして発表してみる。そして、それがどう世界と繋がっているのか構成員みんなでずーっと議論する。気づけば、自分から出たテーマが想像の少し外側まで育っている。構法という考え方にはそれだけの度量があると、その本質を垣間見ることができたかけがえのない3年間でした。
いまいる設計事務所ではまたまったく違う考え方や回路で日々設計と向きあっていますが、折れずに建築を考え続ける筋力は間違いなく、門脇研で身につけたと思います。
構法計画研究室では課題や研究テーマを与えられることはありません。学生ひとりひとりの興味や関心をもとに得られる多角的な視点から世の中を見つめなおすことで、個性に根付いた新しい「問い」を探究します。研究室活動で得られた「自分ならではの問いを発見する」という経験は、どのような環境でも、主体的に考え、実践へ繋げる姿勢として根付いていると感じます。