明治大学 MEIJI UNIVERSITY

梶川 久光KAJIKAWA Hisamitsu

教授 / 木質構造研究室

教員データベース

Room 生田キャンパス 第二校舎A館A1008、A1009室
Email kajihisa■meiji.ac.jp(■を@に置き換えてください)
Tel 044-934-7330
Website 明治大学理工学部建築学科木質構造研究室

略歴

1993年 明治大学 工学部建築学科 卒業
1995年 明治大学大学院 理工学研究科建築学専攻 博士前期課程 修士課程修了
1996年 ミサワホーム株式会社 入社(2015年退職)
2004年 明治大学大学院 理工学研究科建築学専攻 博士後期課程 博士課程修了
2015年 明治大学理工学部建築学科 准教授
2021年 明治大学理工学部建築学科 教授


研究室の概要

木質構造研究室は、日本における木質構造の第一人者である杉山英男先生(故人)が初代であり、二代目は野口弘行先生(引退)、三代目が梶川となります。師匠・弟子の関係が継続し木質構造における思考・ノウハウが継承されています。研究室では、木質構造・構法・材料に関する最先端の研究開発を行っています。そのほかにも、建築防災、小規模建築物基礎、限界集落(廃校再生)に関する研究開発も行っています。杉山先生、野口先生は実験を大切にしていました。特に実大実験です。その影響もあり本研究室は実験を基本として研究を行います。もちろん理論構築、解析等全ての方向から真実に迫っていきます。ゼミでは「木に触れ、実際に体感し、そして思考する。」そういう経験をしていきます。全員で一丸となり進めていきます。ゼミ生自らが、企画、計画、設計、構造計算、材料の手配、施工を行い建築物や家具を製作します。また、建築物の調査等にも行きます。


研究室が求める人材

本研究室では、「木質構造・構法・材料の専門家を目指す人」、「自らの頭と手を動かし、仲間と協力し、木質構造の実験等を通じて実学を身につけることを目的とする人」、「建築工学・建築防災に興味のある人」を求めます。特に将来において、建築構造だけではなく建築の様々なステージで活躍する種を播くことを考えています。「建築とは虚ではなく実の学問である」という観点(杉山先生がよく言われていた言葉)から卒業研究、卒業設計に取り組んで欲しいと考えています。木が好きな人、仲間を大切にできる人、熱意がある人、とことん学びたい・遊びたい人を望みます。


研究ピックアップ

高層木造建築物を想定した木質ラーメン構造の研究開発

本研究室では、高層木造建物を想定した木質ラーメン構造の研究開発を行っています。初期は、強度型(P-Type)と靭性性能向上型(PF-Type)の2タイプを提案し実大実験により構造特性を明らかにしました。次のステップでは、更に耐震安全性能を向上させるため制振部材を取り付けてエネルギー吸収性能の向上を目指しました。制振部材は、柱に高減衰ゴムダンパーを組み込む場合(PM-Type)とラーメン構造の開口部に門型フレームを設置する場合(PD-Type)の2タイプを提案し実大実験により構造特性を明らかにしました。さらに、弾塑性解析により荷重-変形角関係、応力分布及び接合部応力における実験値を再現できることを確認しました。今後は、実施設計を行っていく予定です。なお、本研究開発は、(株)ミサワホーム総合研究所と(国研)建築研究所との共同研究となっています。

高層木造建築物を想定した木質ラーメン構造の研究開発

図:実験概要


卒業論文 / 卒業設計テーマ(2021年度)

  • 高層木造建築物を想定した木質ラーメン構造の研究開発
  • 寺院建築を想定した靭性構造型補強接合部に関する実験的研究
  • 剛棒挿入接着剤接合部の引抜耐力及び剛性に関する研究
  • 構造ヘルスモニタリング機能を付加した住宅用制振装置の研究開発
  • 人口減少時代における消滅危惧集落のこれから−そこに住まう者たちの生き方の記録−

修士論文 / 修士設計テーマ(2021年度)

  • 浄土宗西念寺本堂の耐震診断及び耐震改修に関する研究
  • SFM技術による三次元空間から図面作成及び耐震診断の自動化に関する研究−西念寺本堂及び大福寺本堂の場合−

在学生の声

大学院修士1年・柴田慈英

僕は「何とかなるさ」と「血・汗・涙」をモットーに日々努力しています。時には優しく、時には厳しくラボ長として責任を感じながら研究室をまとめています。時折、エネルギーを充填すると正義のヒーローに変身することもあります。是非その姿を楽しみに研究室に来てください。

大学院修士1年・宮地ひなの

先生の親身で手厚い指導によって、時には高い壁を乗り越えるような場面がありながらも学生全員で切磋琢磨して研究に取り組むことのできる研究室です。学生の研究の一環である調査には学生みんなで取り組んだり、実験は学生同士が協力して手伝い合いながら取り組んだりなど、先生含め学生もみんなが仲良くアットホームな雰囲気です。学業、就活、プライベートなことなど何でも相談に乗ってくれるいつでも温かい先生の存在もアットホームな研究室である大きな理由です。


卒業生の声

2021年度 博士前期課程修了・研究生・王之星

私は研究室において、写真撮影、ドローン撮影によるSFM技術を用いた3次元空間のモデル化により伝統木造の自動耐震診断技術の研究を行っています。更に私たちの研究室では、寺、木造建物の耐震診断調査を実際に行っています。伝統建築と先端技術を使った最新木造のどちらも研究室で楽しく勉強できます。
In our laboratory, we are researching automatic seismic diagnosis technology for traditional wooden structures by modeling 3D space using SFM technology by photography and drone photography. At the same time our lab organizes field trip for both traditional architecture and modernist architecture. Whatever you like you can enjoy your research in our wooden structure laboratory.

2019年度 博士前期課程終了・積水ハウス株式会社・今宮康平

梶川研では木質スケルトン構造に関する研究として新たな構造形式の開発に関わっていました。企業との共同研究ということもあり実務に近い環境で研究に取り組めた上に、学生ではなかなか経験できない実大実験にも参加することができました。梶川研では同じ研究室内でも振動関係や部材関係など研究テーマが多岐にわたります。同期から刺激を受けることも多く、チームで切磋琢磨できる最高の研究環境だったと考えています。