明治大学 MEIJI UNIVERSITY

小林 正人KOBAYASHI Masahito

教授 / 構造力学研究室

教員データベース

Room 生田キャンパス 第二校舎A館A1003室
Email masahito■meiji.ac.jp(■を@に置き換えてください)
Tel 044-934-7329
Website 構造力学研究室
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略歴

明治大学卒業。明治大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。一級建築士。明治大学専任助手(研究者養成助手)などを経て2016年より専任教授。専門は建築構造・免震構造。日本免震構造協会理事、日本建築学会構造委員会幹事/振動運営委員会委員(元 幹事)/免震構造小委員会委員(元 主査)、日本建築センター免震等材料審査(評定)委員会委員。共著に『大振幅地震動に対する免震構造の設計』『免震構造設計指針』ほか。受賞に日本建築学会奨励賞ほか。


研究室の概要

 構造力学研究室では、構造設計の新しい試み、新しい理論に意欲的に取り組んでいます。数百年・数千年に一度という大地震に対して、被害を最小限に留め、被災後の即時復旧・継続使用を可能とする“しなやかな建築”の実現を目指します。そのため、構造力学研究室では免震構造の研究に取り組んでいます。免震構造の普及、経済合理性の確保、脱炭素社会への貢献など研究テーマは多岐にわたり、社会からの期待も大変大きいです。建築は美しく、快適でなければなりませんが、それらを実現するための建築構造の在り方を探求しています。
 ゼミナールでは、優れた構造デザインに触れ、その着想と革新性の源泉を知るために、構造家を招いたゼミ・見学会等を開きます。さらに、構造デザインの実践としてアイデアコンペにも参加しています。計画・設計、素材の加工、部材の接合、作品の組立に至るまで、3Dプリンタやレーザーカッターなどを活用して取り組んでいます。


研究室が求める人材

 構造力学研究室は半世紀以上の伝統があり、卒業生は様々な企業で活躍しています。これまではゼネコンや設計事務所が多数でしたが、ファシリティマネジメント・不動産・都市インフラの分野にも多くの卒業生が進出しています。自身の目指すキャリアについて真剣に考えてほしいです。


研究ピックアップ

免震建物に作用する津波荷重に関する研究

 2011年東北地方太平洋沖地震では津波による甚大な被害が発生しましたが、これまで免震構造の分野では津波に対する構造的な挙動や荷重作用について全く研究されていませんでした。この研究では水理模型実験や数値流体解析により免震構造に対する津波の影響を解明することに取り組んでいます。写真は水理模型実験の様子で、免震構造を模した試験体に津波が衝突しています。研究成果の一部は、免震建物における対津波構造設計マニュアル(日本免震構造協会)に活用されています。

免震建物に作用する津波荷重に関する研究

水理模型実験の様子


卒業論文 / 卒業設計テーマ(2024年度)

  • 応答スペクトル法による免震建物の地震応答予測 ―長周期・高減衰領域における減衰補正―
  • 免震部材の繰返し変形による特性変化を考慮した応答スペクトル法に基づく地震応答予測 ―長周期地震動が上部構造の応答予測に及ぼす影響―
  • 免震建物の損傷状態を考慮した余裕度評価に関する研究 ―鉛プラグ挿入型積層ゴムの面圧-せん断ひずみ関係に基づく検討―
  • ★建築学科卒業論文優秀賞|不感帯機構付きオイルダンパーの基数が多様な地震動に対する免震建物の応答に及ぼす影響
  • 津波定常流を受ける免震建物の水理模型実験 ―免震建物の固有周期が津波荷重と応答変位に及ぼす影響―
  • 免震建物に作用する津波サージ力と応答評価に関する実験的研究 ―免震層の浸水状態が津波荷重と応答変位に及ぼす影響―
  • RC柱にS梁を直接圧着接合した接合部の構造性能に関する研究 ―有限要素法解析による接合部の応力伝達機構の分析―
  • 卒業設計|海の近くで暮らす ―津波避難ビルと免震の集合住宅―

修士論文 / 修士設計テーマ(2024年度)

  • 免震部材の繰返し変形による特性変化を考慮した応答スペクトル法に基づく免震建物の地震応答予測―鉛プラグ挿入型積層ゴムとオイルダンパーを併用した免震建物への適用―
  • 免震建物に作用する津波サージ力と応答性状に関する研究―免震クリアランスの実況を踏まえた動的応答評価―
  • 設計用入力地震動の変遷に着目した免震建物の設計データの分析
  • 設計用入力地震動に対する免震建物の損傷状態を考慮した確率論的余裕度評価
  • 不感帯機構付きオイルダンパーを用いた免震建物の要求性能に着目した応答評価法の提案
  • RC柱―S梁混合構造の梁端接合部の構造性能に関する研究

在学生の声

建築学科4年・岡村知夏

建築学科4年・岡村知夏

 構造分野の研究室と聞くと、専門的で難しい印象を持つかもしれませんが、研究の進め方やソフトの扱い方などは、先輩が丁寧に教えてくれるので、安心して取り組めます。また、企業との共同研究や見学会があるため、実社会とのつながりについても学ぶことができます。ゼミナールでは、みんなでコンペに参加するため、議論や作業を通してメンバー同士の距離が縮まり、楽しく活動することができます。進路についても、小林先生や先輩が親身になって相談にのってくれるので、とても心強いです。構造分野に関心のある人はもちろん、幅広い経験を通じて成長したい人にも、おすすめの研究室です。

大学院修士2年・舩田恭佑

大学院修士2年・舩田恭佑

 私は免震建物の地震動に対する冗長性と余裕度の評価に関する研究に取り組んでいます。構造力学研究室の魅力は、海外での研究発表や企業の技術研究所の見学など、研究室の外に出て活動することが多く、生田キャンパス内だけの学生生活では滅多にできない、たくさんの貴重な経験をすることができることです。研究室の雰囲気も良く,研究のことだけでなく、就職活動や授業のことなどを小林先生、先輩・後輩と分け隔てなく相談しやすい環境なので、充実した楽しい時間を過ごすことができます!


卒業生の声

2016年度卒業・エヌ・ティ・ティ・データ ファシリティマネジメント事業部 営業担当オフィスチーム・山本侑季

2016年度卒業・エヌ・ティ・ティ・データ ファシリティマネジメント事業部 営業担当オフィスチーム・山本侑季

 私の研究室の思い出は、学部4年生のゼミナールです。一つのゴール向けて同期と話合いや事例研究を重ねた経験は、社会人となった今でも大変役立っています。就職活動では、興味のある就職先OBの方々を先生から紹介いただき、直接リアルな企業のお話を伺うことができたのが印象に残っています。卒業から5年以上経った今でも小林先生や在学生と新たな関係を築けているのは、研究室時代の楽しい思い出があったからこそだと思います。

2015年度博士前期課程修了・清水建設株式会社 設計本部・宮倉周平

2015年度博士前期課程修了・清水建設株式会社 設計本部・宮倉周平

 現在はゼネコンで構造設計を行っています。大学院では企業と共同で免震構造に関する研究に取組んでいました。構造設計者との実務目線での研究は、様々な面で就職後にも活かされています。印象深いことは、中国での国際会議への出席です。日中の研究者との交流や超高層建物の現場見学は貴重な経験でした。積極的に行動すれば専門分野だけでなく、多くの経験が積めます。研究室の雰囲気もよく、毎年のゼミ旅行は大盛り上がりでした。


建築文化週間 学生グランプリ 2024「銀茶会の茶席」応募作品
JSCAアイス棒ブリッジコンテスト|コンセプト賞


JSCAアイス棒タワーコンテスト|構造デザイン賞 & スマートパッシブデザイン賞

家具アイデアコンペ|知育をテーマに

構造家による作品紹介と見学会|麻布台ヒルズ・The Cloud
構造家による作品紹介と見学会|和泉ラーニングスクエア

建設会社の技術研究所視察

積層ゴムメーカーの工場見学

大型物流センターの現場見学
研究室の打ち上げ