明治大学 MEIJI UNIVERSITY

富澤 徹弥TOMIZAWA Tetsuya

准教授 / 建築構造研究室

教員データベース

Room 生田キャンパス 第二校舎A館 A1004・A1005室
Email tomizawa■meiji.ac.jp(■を@に置き換えてください)
Tel 044-934-7342
Website 建築構造研究室HP

略歴

東京工業大学(現・東京科学大学)および同大学院にて鋼構造の薄板の座屈に関する研究を行う。株式会社構造計画研究所に入社後,構造設計者として12年間の実務経験を積み,新築建物の設計監理,既存建物の診断補強など,多種多様の構造種別,システムおよび用途の構造設計に数多く携わる傍ら,免震制振技術に関する開発研究により,神戸大学大学院にて社会人博士号取得。2019年度に明治大学理工学部建築学科着任。2023年度より現職。共著に「免震によるレジリエントな都市の実現を目指して」,「今さら聞けない[Q&A] 建築構造の基本攻略マニュアル」ほか。受賞に日本建築学会賞(技術),「ロバスト性・冗長性を向上させた建物の構造デザイン」 佳作入選ほか。


研究室の概要

建築構造研究室では建築構造に関するテーマを幅広く扱っています。指導教員の構造設計に関する実務経験を基に,構造物の免震,制振などの振動制御に関する開発研究のほか,それらを適用した構造設計手法や構造性能評価に関する解析研究を行い,振動工学を軸とした構造技術による設計的なアプローチで,安全・安心な建築を幅広く考える研究に取り組んでいます。振動工学のほか,特殊材料を用いた建築物に対する最適化や生体計測による振動感覚の定量化など,材料工学や生体工学その他工学との融合研究にも力を入れています。
また,研究室内に閉じこもらず,共同(協同)をテーマとして,他研究室との共同リサーチプロジェクトなどにより,構造担当として実際のプロジェクトにも積極的に参画しています。


研究室が求める人材

一言で表すなら,主体性と協調性を持つ人材です。建築構造に関する研究や設計を中心とした世の中の課題に対して興味があること,未知の領域や専門を少し外れた内容についても積極的に意見を持つこと,実験等の共同作業について協調性を持って取り組めること,これら3つが当研究室の求める人材像です。それらの資質を持った学生たち各々の能力を研究室の集合知として,豊かな研究活動を行いたいと考えております。そして将来,社会に出ることを前提として,自身で課題を発見し,解決するために試行錯誤して目標を達成するための努力ができる人材,目標に対して自分の意見を持ちながらも相手の意見を尊重することができる人材を育成することを目標としています。


研究ピックアップ

高性能免震技術の開発

従来の免震技術がもつ課題のひとつに,縦揺れへの対策が挙げられます。一般に多く普及している免震技術は横揺れのみを対象にしています。横揺れのみでも十分な構造安全性は期待できますが,近年では建物への要求性能も高度化し,室内家具や設備機器等の被害に影響すると考えられている縦揺れに対する配慮も今後必要となると考えられます。本研究室では,国立研究開発法人防災科学技術研究所との共同研究により,水浮揚方式を導入した高性能の水平免震に加えて,縦揺れ対策として新たに開発したパラレルリンク機構を用いた鉛直免震による3次元免震技術の開発研究を行っています。

高性能免震技術の開発

パラレルリンク機構


卒業論文 / 卒業設計テーマ(2023年度)

  • 生体反応計測を用いた単振動に対する不安度の時刻歴評価
  • 粘性ダンパーを有する制振建築物のエネルギーの釣合いに基づく計算法に関する研究 -取付き剛性が粘性ダンパーの減衰評価に与える影響-
  • 3次元免震建物の地震時応答性状に関する研究 -水平・鉛直免震機構の位置関係および固有周期比に基づく考察-
  • シリンダ剛性の特性変動による懸架型パラレルリンク免震機構の静的力学特性変化に関する研究
  • 懸架型パラレルリンク機構を用いた免震システムの鉛直動的力学特性に関する研究
  • 風力発電設備支持物の実測に基づく最適レギュレータ理論を用いたAMDによる応答制御
  • 風力発電設備鋼製タワーの最適化モデルを用いた設計荷重の傾向分析
  • 等分布積雪荷重を受ける発泡アーチドームの開孔配置に関する研究

修士論文 / 修士設計テーマ(2023年度)

  • 生体反応計測を用いた単振動の振動特性に対する不安度評価に関する研究
  • 履歴ダンパーと粘性ダンパーの併用を考慮したエネルギーの釣合いに基づく耐震計算法に関する研究
  • 実測に基づく風力発電設備支持物の累積損傷度評価に関する研究
  • セルフビルドによる小規模建築物の構造性能評価 -モクタンカンによる単管システム構法-
  • 複合構造風車支持物の地震応答に対する多目的最適化と感度分析
  • 非技術者を対象とした鋼構造制振建築物の振動制御効果の評価方法の提案
  • 制振ダンパーによる下層部変形集中現象の抑制効果に関する研究