明治大学 MEIJI UNIVERSITY

山本 俊哉YAMAMOTO Toshiya

教授 / 都市計画研究室

教員データベース

Room 生田キャンパス 第二校舎A館1108室
Email toshiya■meiji.ac.jp(■を@に置き換えてください)
Tel 044-934-7390
Website 山本俊哉・都市計画研究室
山本研 facebook
日本都市計画家協会

略歴

千葉大学卒業。千葉大学大学院修士課程修了。博士(学術)。認定都市プランナー。マヌ都市建築研究所での20年間の実務経験を経て2005年に本学着任。2010年から現職。日本都市計画家協会会長、都市防災研究所理事、向島学会理事等。著書に「仮設住宅その10年」、「災害から命を守る『逃げ地図』づくり」、「防犯まちづくり」など多数。受賞に日本不動産学会賞(著作・論説)、都市住宅学会賞(著作)、日本建築学会賞(教育貢献)ほか。


研究室の概要

明治大学都市計画研究室は、前身の加藤隆研究室を含めると60年近くの歴史があり、数多くの卒業生とともに歩んできました。山本俊哉研究室は、2005年の発足当初から各地の住民主体のまちづくりを支援しながら、関係行政機関や民間企業、NPOなどと連携し、安全・安心(防災・防犯)、アート、建築・都市再生等、幅広い視野から都市計画に関する実践的な研究を進めています。
具体的なフィールドは、山本が30年以上関わっている神田や向島をはじめ、陸前高田等の被災地、厚木や秩父等のSafe Community、下田や串本等、全国津々浦々に及び、ハンブルクやバレンシア等にも関わり続けています。
研究にあたっては、その地域の各種地図・資料をもとに歴史的・空間的な文脈を読み込むことと、現場をつぶさに観察して関係者の意見を聴取することを重視します。そして、その場所・地域の社会的な課題を構造的に捉え、エビデンスに基づいて対話を重ねながら進めています。


研究室が求める人材

都市計画のあり方が今、世界的に問われています。地域が抱える社会的課題をまちづくりの力で解決することが期待されています。都市計画研究室出身者の卒業後の進路は様々ですが、将来の地域の姿を見据えつつ、様々な立場の人々の意見をファシリテーションできる人材を輩出したいと考えています。
そのため、私たちの研究室では、まず、自ら課題を設定し、自主的かつ計画的に取組むとともに、対話を通して熟考する学生を求めます。次に、各種の研究室活動に積極的に参加し、住民ら他者と協調してグループワークを行う学生を求めます。そして、①本をよく読むこと、②現場で学ぶこと、③住民ら利害関係者に積極的にインタビューすることを基礎に、自らを研鑽しながら研究成果を社会に還元する意欲ある学生を求めます。


研究ピックアップ

木造密集市街地における長屋の更新・滅失に伴う市街地変容のプロセス

木造密集市街地の改善事業のモデルとして知られる墨田区京島地区において「越後三人男」と呼ばれた大工らが関東大震災後に建設した長屋を主たる対象とし、賃借人によるリノベーションの連鎖的な展開、老朽化や公共事業等に伴う除却後の戸建住宅等の建設に焦点をあて、不燃化特区指定以降の最近10年間の市街地変容のプロセス、並びに大規模地権者と地区外からの転入者と両者のマッチングに関わる主要プレイヤーの変化を明らかにする。

木造密集市街地における長屋の更新・滅失に伴う市街地変容のプロセス

京島地区における長屋の分布図


卒業論文 / 卒業設計テーマ(2021年度)

  • 一時避難場所の概念と実態の差異と課題~川崎市生田地域におけるケーススタディ~
  • 連続立体交差事業における鉄道高架下空間の公共利用に関する研究-公租公課相当分の利用と協議に着目して -
  • 豊島区と西東京市における小規模公園の包括管理と利用促進の試みと課題 ―民間非営利組織の活用に着目してー
  • 立地適正化計画の居住用即地独自区域の設定に関する研究 ー長岡市・見附市を事例としてー
  • 密集市街地における小規模空地の整備事業の検証 ~世田谷区太子堂2・3丁目地区を対象として~
  • (卒業設計)
  • 漸増する産業-パターンランゲージに基づく段階的な産業商家町の再起-
  • 上瀬谷大地の蘇生~実験的projectによる新カウンタープランの構築~
  • 廃鉄塔再生 ―地域密着型公共インフラの再編―
  • 住棟間駐車場の転生 -次世代モビリティを活用したハブの提案-

修士論文 / 修士設計テーマ(2021年度)

  • 大規模水害時における避難確保計画の実態と課題 -江戸川区の高齢者施設を対象として-
  • 鉄道地下化に伴う駅前広場の整備手法に関する研究 -環境空間の比率と配置に着目して-
  • 幼老複合施設における交流促進に資する建築空間に関する研究 -利用者の交流実態と空間設計に着目して-
  • 武漢市における地下鉄の整備に伴う都市広場の変容と課題 -中山、洪山、光谷広場を対象として-

在学生の声

学部4年生・牧野栞

学部4年生・牧野栞

研究室では、都市計画に関する研究に取り組むに当たり、山本教授や大学院生のサポートは勿論、有名企業でご活躍をされている先輩方とコンタクトも取り易く、非常に参考になるお話も数多く聞くことができ、自身の可能性を最大限に伸ばすことが出来ると思います。また、卒業生の方々のご助言は今後の進路を決める上でも非常に役に立った経験でした。是非、都市計画研究室で幅広い都市計画に取り組んではいかがでしょうか。

大学院修士1年・森下慧

大学院修士1年・森下慧

都市計画研究室では、自身の設計や研究を通して外部の方と広く関りを持つことができます。私自身、卒業研究を通して地域住民や市議会議員、川崎フロンターレ職員など多くの方々にご協力いただき、研究への助言や合同でプロジェクトの発足も行いました。普段の学生生活では気づけない視点を多く得られた貴重な経験です。先生も積極性のある学生を最大限フォローしてくださるので、自主的に何か学びたい学生にはぴったりです。


卒業生の声

2020年度 博士前期課程修了・京浜急行電鉄株式会社・田口諒

2020年度 博士前期課程修了・京浜急行電鉄株式会社・田口諒

在籍中は、東日本大震災からの復興まちづくりに関する論文の執筆、コロナ渦にある「生田の商店街」の支援活動として情報発信およびパンフレット作成を行いました。現在は、品川駅西口地区における大規模複合ビルの開発計画に携わっています。多様な方々を巻き込み進めてきた研究や商店街での活動の経験が、現在の仕事に活かされています。この研究室では人との出会いが多くあり、様々なまちづくりに携わることができます。

2015年度 博士前期課程修了・独立行政法人都市再生機構・白幡玲子

2015年度 博士前期課程修了・独立行政法人都市再生機構・白幡玲子

研究室在籍中は全国各地や海外のまちづくりを現地で学ぶ機会を多くいただきました。学生でありながらワークショップや懇親の場で地元の方々とそのまちの魅力・課題について議論した経験は、社会人としての私を構成する大きな要素の一つだと感じています。この研究室で学ぶ後輩の皆さんには、様々なプロジェクトで多くの人と関わりながら、新たな興味と自信を得て欲しいです。きっと山本先生が優しく背中を押してくれるはずです。