五反田川沿いにある大学近くの敷地を対象とした住宅設計課題である。夫婦+子供2人に加え、祖母が近隣に住む友人と好きなときに気兼ねなく集まることができる住まいを設計することが条件であり、敷地のリサーチ、プログラムや使い方に対する構想、空間構成など、設計に求められる基礎的なスキルを習得しながら、最も慣れ親しんだ「住宅」というビルディングタイプを「建築」として組み立てることを学ぶ。
●優秀作品の学生一覧:
相良龍之介(今村班)|太田朝陽(佐々木班)|高橋賢生(佐伯班)|呉士文(篠原班)|鈴木皓人(神田班)|宮田康平(富永班)|松木悠眞 (廣岡班)
建築の世界では、たった一枚のドローイングがそれまでの人々の価値観や空間に対する認識を大きく変えてしまうということが時々起こる。それだけドローイングは、建築家やデザイナーが建築物に込めた思想や理念を抽象的に表現するうえで重要な役割を果たしてきたと言える。また、実務的にはクライアントや関係者の共感を得たり、コンペで仕事を勝ち取ったりするうえで建築家にとって欠かせないスキルでもある。本課題は「プレゼンテーション・ドローイング」として、第一課題で設計した住宅を魅力的に表現し、提案内容の本質を直感的に伝達し、意図していなかった作品の展開可能性を示唆するような、そうした表現手段を探求することに挑戦してもらう。
●優秀作品の学生一覧:
石山僚恩(今村班)|由良萌(佐々木班)|軍司明日香(佐伯班)|川井美咲希(篠原班)|小島葵(神田班)|森尾真帆(富永班)|光沢元博(廣岡班)
大学近くの敷地を対象に、イサム・ノグチのための私設美術館を設計する課題である。ノグチは彫刻家として知られ、庭園・家具・照明器具・陶芸・舞台・建築など、幅広い作品を残しているが、この美術館はノグチ作品の収蔵家が彫刻作品わずか5点を恒久展示するために、住宅地のなかに開設する小規模な美術館である。クライアントからは以下のことが求められている。
第1に、展示の入れ替えがある美術館とは異なる空間であり、すなわち、来訪者が特定の展示物にじっくりと向かい合い、来訪者と展示物が深く対話・交流できる空間であること。来訪者の経験がどのようなものになるのか、十分に想像を働かせることが設計者に強く求められる。
第2に、周辺の住宅地に住む人々(特に子どもたち)が、日常的に美術作品と美術制作に接することができるような、地域に開かれた美術館とすることであること。具体的には、上記の作品経験のなかに、屋内外でのワークショップなどを通した学習や交流の場を組み込むことが求められる。
以上の要求(設計条件)を十分に理解したうえで、入館から退館までの空間的体験(シークエンス)がこの美術館固有のものとなるよう、空間どうしの関係をデザインすることが課題の目標である。
●優秀作品の学生一覧:
長谷川智大(今村班)|由良萌(佐々木班)|河合菜々子(佐伯班)|太田華朋(篠原班)|横山和歌子(神田班)|長澤由芽(富永班)|大下美苑(廣岡班)
<ポスターセッション優秀作品>太田朝陽(佐々木班)|元井佳祐(廣岡班)|宮田康平(富永班)
担当教員
連勇太朗(コーディネーター)、今村水紀、神田篤宏、佐々木珠穂、佐伯聡子、篠原明理、富永大毅、 廣岡周平
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