明治大学 MEIJI UNIVERSITY

2022年度:建築設計2(2年次・春学期)

第1課題:五反田川沿いの住宅

五反田川沿いにある大学近くの敷地を対象とした住宅設計課題である。夫婦+子供2人に加え、祖母が近隣に住む友人と好きなときに気兼ねなく集まることができる住まいを設計することが条件であり、敷地のリサーチ、プログラムや使い方に対する構想、空間構成など、設計に求められる基礎的なスキルを習得しながら、最も慣れ親しんだ「住宅」というビルディングタイプを「建築」として組み立てることを学ぶ。

●優秀作品の学生一覧:
小野寺陸人|江尻竪太郎|小林蒼生|部谷ひかり|上田侑果|吉川凜|我田蒼弥

中間課題:プレゼンテーション・ドローイング

建築の世界では、たった一枚のドローイングがそれまでの人々の価値観や空間に対する認識を大きく変えてしまうということが時々起こる。それだけドローイングは、建築家やデザイナーが建築物に込めた思想や理念を抽象的に表現するうえで重要な役割を果たしてきたと言える。また、実務的にはクライアントや関係者の共感を得たり、コンペで仕事を勝ち取ったりするうえで建築家にとって欠かせないスキルでもある。本課題は「プレゼンテーション・ドローイング」として、第一課題で設計した住宅を魅力的に表現し、提案内容の本質を直感的に伝達し、意図していなかった作品の展開可能性を示唆するような、そうした表現手段を探求することに挑戦してもらう。

●優秀作品の学生一覧:
宿利泰成|江尻竪太郎|伊澤歩夢|諏訪結芽子|谷口愛実|寺島稔七|中村日和

第2課題:イサムノグチ・ミュージアム

大学近くの敷地を対象に、イサム・ノグチのための私設美術館を設計する課題である。ノグチは彫刻家として知られ、庭園・家具・照明器具・陶芸・舞台・建築など、幅広い作品を残しているが、この美術館はノグチ作品の収蔵家が彫刻作品わずか5点を恒久展示するために、住宅地のなかに開設する小規模な美術館である。クライアントからは以下のことが求められている。
第1に、展示の入れ替えがある美術館とは異なる空間であり、すなわち、来訪者が特定の展示物にじっくりと向かい合い、来訪者と展示物が深く対話・交流できる空間であること。来訪者の経験がどのようなものになるのか、十分に想像を働かせることが設計者に強く求められる。
第2に、周辺の住宅地に住む人々(特に子どもたち)が、日常的に美術作品と美術制作に接することができるような、地域に開かれた美術館とすることであること。具体的には、上記の作品経験のなかに、屋内外でのワークショップなどを通した学習や交流の場を組み込むことが求められる。
以上の要求(設計条件)を十分に理解したうえで、入館から退館までの空間的体験(シークエンス)がこの美術館固有のものとなるよう、空間どうしの関係をデザインすることが課題の目標である。

●優秀作品の学生一覧:
小野寺陸人|中村颯|田口麗|山田篤|横野亘律|大蔵里桜|杉田紗理奈

担当教員

連勇太朗(コーディネーター)、今村水紀、神田篤宏、笹敦、佐々木珠穂、佐伯聡子、富永大毅、 廣岡周平

優秀作品

※ STUDENT WORKに掲載されている作品はいずれも各学生個人の著作物です。許可のない複製・拡散・二次利用はご遠慮ください。

 

他の科目

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第1課題 優秀作品

小野寺陸人

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第1課題 優秀作品

江尻竪太郎

講評

敷地に近接の周辺環境だけでなく、より広域な地勢的視点から東西に長い4つの建物を並べ、その上で4つの建物相互や屋内外を横断しまたがるように生活が広がる案である。ボリューム配置で終わらせず、その可能性に踏み込んで案を発展させている点が秀逸と言える。(兼任講師 神田篤宏)


  • 第1課題 優秀作品:小林蒼生
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第1課題 優秀作品

小林蒼生

講評

平面断面計画において家族と地域のアクティビティーを明確に分節し、それぞれの領域について屋根の形状を変化させることにより3つの外部環境のスケールを上手に取り込んだ魅力的な建築が提案できている。プレゼンテーションも美しい。(兼任講師 笹敦)


  • 第1課題 優秀作品:部谷ひかり
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第1課題 優秀作品

部谷ひかり

講評

「住む」という機能に「商い」を織り交ぜ、ボリュームを蛇行させたり開口の開き方や視線の繋げ方により個と公をグラデーショナルに繋げようとした姿勢に好感が持てる。素材や色調についての提案もできており丁寧な設計である。(兼任講師 佐々木珠穂)


  • 第1課題 優秀作品:上田侑果
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第1課題 優秀作品

上田侑果

講評

必要な部屋数を並べただけのありきたりの構成ではなく、縦にも横にも連なる空間が実際のボリュームを超えた広がりを感じさせる。そのタイトル通りこの住宅での家族のアクティブなあり方が想像できるところも良かった。(兼任講師 佐伯聡子)


  • 第1課題 優秀作品:吉川凜
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第1課題 優秀作品

吉川凜

講評

東屋とビルという全く属性の異なるものが結びつくと住宅になるという仮説である。公共的であるべきというスタンスと住宅としての居住性が結びついて、半地下の東屋と半分上がったプライベートテラスという独特な距離感の空間を南緑道側につくれている。西側を上がる緩やかな階段と細長い水平連窓も、暮らすことを街に表す新しい表現となった。(兼任講師 富永大毅)


  • 第1課題 優秀作品:我田蒼弥
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第1課題 優秀作品

我田蒼弥

講評

中庭構成のロの字平面が断面的に床レベルを上下させることで閉じつつ開いた空間形式となっている。屋根や平面的な壁の斜め配置などにより、空間的な広がりと安心感を同時に生み出した建築である。(兼任講師 廣岡周平)


  • 中間課題 優秀作品:宿利泰成

中間課題 優秀作品

宿利泰成

  • 中間課題 優秀作品:江尻竪太郎

中間課題 優秀作品

江尻竪太郎

講評

建物の構成を明瞭にしながらも、屋内外を同じ色で描く等、敷地全体に生活が広がる情景であったり、屋外の植栽が自然に任せた原っぱのような情景であったり、いろいろ想像しながら楽しんで描いているのが伝わってくる。(兼任講師 神田篤宏)


  • 中間課題 優秀作品:伊澤歩夢

中間課題 優秀作品

伊澤歩夢

講評

この建築は単位空間(箱)と隙間の組み合わせにより多様なアクティビティーを創り出しているが、作品は断面図の部分に注目しスケールアップして的確に切り取り、アクティビティーの特徴を捉えた動きのあるドローイングとなっている。(兼任講師 笹敦)


  • 中間課題 優秀作品:諏訪結芽子

中間課題 優秀作品

諏訪結芽子

講評

形のコンセプトの特徴を端的に効果的に示せている良案。人のシルエットが入っていることによりボリューム感を示せている点や、「ながれる」を表す色使いもよい。示す情報、省く情報がよく整理された作品である。(兼任講師 佐々木珠穂)


  • 中間課題 優秀作品:谷口愛実

中間課題 優秀作品

谷口愛実

講評

住宅課題を通して考えてきたことを的確に一枚のドローリングとして表現できている。特に線の強弱や色調などに個性が光るが、建築図面としての美しさも合わせ持った完成度の高いプレゼンテーションである。(兼任講師 佐伯聡子)


  • 中間課題 優秀作品:寺島稔七

中間課題 優秀作品

寺島稔七

講評

カフェを住宅に併設することでどういうことが起こるか、カフェ部分をRC造とし住宅部分を木造とする判断が、断面パースによって端的に表現されている。着彩の濃淡や色の選択が意味を持っていることも、抽象化することで伝わる意味が変わることを示した良いドローイングである。(兼任講師 富永大毅)


  • 中間課題 優秀作品:中村日和

中間課題 優秀作品

中村日和

講評

平面パースによって、樹木を意識したような不定形な窓で囲まれていることをうまく表現している。都市空間の中に住居としての居場所を生み出していることがわかる豊かな表現であった。(兼任講師 廣岡周平)


  • 第2課題 優秀作品:小野寺陸人
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第2課題 優秀作品

小野寺陸人

  • 第2課題 優秀作品:中村颯
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第2課題 優秀作品

中村颯

講評

地域に開かれた美術館というコンセプトのもと特徴的なプログラムデザインを行い、ワークショップスペースやカフェを含めた連続的で開放的な美術館空間が敷地形状と合わせてうまくまとめられていた。(兼任講師 神田篤宏)


  • 第2課題 優秀作品:田口麗
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第2課題 優秀作品

田口麗

講評

周辺のコンテクストとコミュニティーのあり方を美術館の展示に関連付け、シリンダー、ランダムな柱、様々な床の構成により、サービング機能をしっかり成立させつつ地域に開かれ巧みに連続した多様かつ明快な空間構成が提案できている。(兼任講師 笹敦)


  • 第2課題 優秀作品:山田篤
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第2課題 優秀作品

山田篤

講評

建物の構造により立体作品をフレーミングし、移動する中で連続的な体験を与えるものにもなっており、空間とアートの豊かな関係を作り出せている。建築の作り方と体験の作り方がリンクしている点や、木造を選定した感覚も良い。(兼任講師 佐々木珠穂)


  • 第2課題 優秀作品:横野亘律
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第2課題 優秀作品

横野亘律

講評

安易なコンセプトや形状の操作に陥らず、プログラムと空間計画を丁寧に紡ぎながら全体を一つに上手くまとめた。その手書き図面からも細部までよく考えて計画していることが伝わってくる。(兼任講師 佐伯聡子)


  • 第2課題 優秀作品:大倉里桜
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第2課題 優秀作品

大倉里桜

講評

景観やレイアウトをコントロールしようとして生まれた不思議な平面形に対し、大階段状の断面が加わることで生み出される立体的な空間が、偶然にも草月会館を思い出させるような体験となっている。造形的にもどこか彫刻的な佇まいであり、一見関係のない操作が見事に手を結んだ、建築の面白さを体現した作品と言える。(兼任講師 富永大毅)


  • 第2課題 優秀作品:杉田紗理奈
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  • 第2課題 優秀作品:杉田紗理奈
  • 第2課題 優秀作品:杉田紗理奈

第2課題 優秀作品

杉田紗理奈

講評

周辺の都市空間と彫刻をつなぐ役割として建築を据えたことが面白い。断面的にロの字のラッパ型が組み合わさり、わかりやすさと、その裏の2Fレベルに屋上庭園を設けて光が抜けるための建築構成が巧みである。(兼任講師 廣岡周平)